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    居心地のいい組織は「ヌルい」だけではないか?

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    組織における「心理的安全」とは


    「チームの心理的安全性」という概念を提唱したのは、ハーバード大学のエイミー・C・エドモンドソン教授だ。
    教授は論文の中で「チームの心理的安全性とは、チームの中で対人関係におけるリスクをとっても大丈夫だ、というチームメンバーに共有される信念のこと」だと定義した。
    より現場に即した言い方をすれば、「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム・職場」が心理的に安全なチームである。
    そもそも「チーム」とはなにか。実は職場でチームという考えが導入されたのは、比較的最近のことだ。
    マサチューセッツ工科大学のオスターマン教授は、「職場における、チームという概念それ自体が、1980年代以降、最も広まったイノベーションのひとつだ」と評している。
    単なる人の集団、すなわちグループは、共通の目標に向かって互いにアイデアを生み出し、ともに問題に取り組むという活動や相互作用によってチームへと変わっていく。

    「心理的安全性」の誤解の最たるものが「ヌルい職場」という認識だろう。
    この誤解を解き、心理的安全性を正しく機能させるためには、「仕事の基準」(スタンダード)という考え方を理解する必要がある。
    ビジネスでは、さまざまな制約で「妥協」の必要性が生じるものだ。ハイ・スタンダードとは、この妥協点が高いことを指す。
    「仕事の基準」と「心理的安全性」でマトリクスで描き、職場を4象限に分けて考えてみよう。
    心理的安全性が高いが、仕事の基準が低いのが、和気あいあいとしているが仕事の充実感はない、「ヌルい職場」だ。「ヌルい」原因は、心理的安全性にあるのではなく、「仕事の基準」が低いことにある。
    仕事の基準も心理的安全性も低いと、リスクを冒してまで他人と関わろうとしない、事なかれ主義の「サムい職場」になる。
    一方で仕事の基準は高く、心理的安全性が低いのは「キツい職場」だ。ここではメンバーは罰を避けるために努力することになる。
    本書が目指すのは、ハイ・スタンダードで、心理的安全性の高い「学習して成長する職場」だ。メンバーは健全な衝突を起こし、多様なアイデアを効果的に活用することができる。
    このような職場では、離職率が低く、収益性も高くなることが特徴だ。

    エドモンドソン教授の作成した心理的安全性を計測する質問では、米国とは異なる文化背景を持つ日本の職場の心理的安全性を正確に測定することができなかった。
    そこで著者は、「日本のチームの心理的安全性」を計測する組織診断サーベイを開発し、これまで6000人・500チームで計測している。
    そこから見えてきたのは、「日本の組織では(1)話しやすさ、(2)助け合い、(3)挑戦、(4)新奇歓迎、という4つの因子があるとき、心理的安全性が感じられる」ということだ。
    この4つの因子にアプローチして、心理的安全性を高める取り組みは、変えやすい順に「行動・スキル」「関係性・カルチャー」「構造・環境」という3つの段階がある。
    組織構造や意思決定プロセスなどが含まれる「構造・環境」の変革は難しい。「構造・環境」は前提環境として認識し、本書のスコープは「関係性・カルチャー」レベルでチームの心理的安全性をもたらすこととする。

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    心理的安全性のつくりかた

    心ではなく「行動」にフォーカスする


    地位や役職にかかわらず、自分のチームや組織に心理的安全性をもたらそうという意思を持って行動すれば、あなたは心理的安全性をもたらすリーダーだ。
    現在の心理的安全性の度合いは、組織やチームの歴史が積み重なった結果である。メンバーが不安や罰を避けるために意見を言わないのだとしたら、それがカルチャーとして染み付いてしまっているのだ。
    一つ一つの行動を変えていかなくては、チームは変わらない。その土台になるのが本書が提案する「心理的柔軟なリーダーシップ」だ。
    「その時々に応じて、本質的に役に立つことをする」リーダーシップを発揮できれば、心理的安全なチームをつくることができる。
    著者らの研究では、リーダーやメンバーの心理的柔軟性の向上はチームの心理的安全性を向上させること、特にリーダーの心理的柔軟性はチームの心理的安全性に学習の促進にも影響があることがわかっている。

    心理的柔軟性には「必要な困難に直面し、変えられないものを受け入れる」「大切なことへ向かい、変えられるものに取り組む」「それら変えられないものと、変えられるものをマインドフルに見分ける」という3つの要素がある。
    「必要な困難に直面し、変えられないものを受け入れる」が意図するところは、困難な思考や感情が現れたときにそれにオープンになり、行動を起こすための心理的な抵抗を減らすことだ。ビジネスでは想定外のトラブルはつきものだ。
    ネガティブな思考・感情・感覚・記憶は、長期的にコントロールし続けることはできないということがわかっている。重要なのはコントロールできないということを理解し、受け入れ、積極的に「味わう」ことである。
    「大切なことへ向かい、変えられるものに取り組む」という要素は、前に進むための推進力を与えてくれる柔軟性だ。まずは「大切なこと」を明確に言語化する必要がある。
    その上で、自分とメンバーが「大切なこと」に向かって行動しているかを検証していく。
    チームにとって「大切なこと」である心理的安全性の構築に向けて、たとえ最初は失敗したり反発があったりしても、チームや組織に合わせて柔軟に行動を変更しながら、行動し続けていくことが重要だ。
    「マインドフルに見分ける」ということは、いま・この場で進行中の出来事に気づき続けているということである。これは、「この文脈で、柔軟で適切な行動をとる」ために必要な柔軟性だ。
    「心ここにあらず」の状態では、頭の中の思考や感情の渦にとらわれてしまう。座禅やマインドフルネスの実践を通して「言語の世界から距離を取ること」ができると、「いま、この瞬間」への気づきと集中ができるようになる。

    また、人は「自分物語」に固執していると心理的柔軟性が失われやすくなる。
    「私」の視点から見る「物語としての私」ではなく、「私=世界を眺めているカメラ」という感覚で捉える「観察者としての私」の視点を持つことができれば、柔軟な行動のレパートリーを持つことができる。

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    心理的安全性のつくりかた

    行動分析でつくる心理的安全性


    心理的安全性の4つの因子は、それぞれ「行動」の集積だ。望ましい行動を増やし、望ましくない行動を減らすために、「行動分析」のフレームワークを用いて考えてみよう。
    「きっかけ→行動→みかえり」フレームワークでは、「きっかけ」によって「行動」が起き、行動後の「みかえり」が行動に影響を与えると考える。
    つまり、人々の「行動」は「きっかけ」と「みかえり」によって制御されているという考え方だ。
    何かのきっかけである行動を取ったとき、良いみかえりがあればその行動は増え、悪いみかえりがあればその行動は減る。
    この考え方を用いると、「個人攻撃の罠」を避けることができる。
    「彼はやる気がない」といった個人の内面を責めるような発言の中身は、じつは「やる気」という言葉で具体的な複数の行動に「ラベルを貼っている」にすぎない。
    しかし、そうして内面を責めたところで、行動の変容にはつながらない。
    本人や周囲がアプローチできる、行動の「きっかけ」と「みかえり」にフォーカスを当てて、行動に影響を及ぼすことを考えた方が健全だ。

    心理的安全性を高めるために重要な「話しやすさ」を改善しようと考えると、「何でも言ってね」というフレーズが思いつくかもしれない。しかし、実際にはそう言われてもすぐに発言できるものではないだろう。
    もっと効果的なのは、文脈に応じて具体化した投げかけだ。
    新しいプロジェクトを進めるときには「改善点やリスクを思いつく人はいますか?」、部門対応が決まった会議の場では「担当する上で不安な点を教えてください」といった具合に、場面に応じて具体的な質問を投げかける。
    意見を出してくれた人にはお礼を伝え、さらにさまざまな意見を募り洗い出していく。正解のない時代には、「意義のある意見の対立」は推奨すべきだ。
    一通り意見がでたら、それらを可視化した上で、優先度の高そうなものからアプローチしていくといいだろう。
    「きっかけ→行動→みかえり」は、動物でも使える行動原理、「動物行動」だ。
    行動をベースに学ぶ「動物行動」とは異なり、人間は「言語行動」で言葉で教われば行動していなくとも適切な行動を学ぶことができる。
    これこそ人間がルールに従う能力の源泉だ。言葉には「いま、ここにない現実」を創り出す力がある。
    言葉によって未来の「みかえり」を関係づける能力は、「ルール支配行動」と呼ばれる。「みかえり」によって、ルールへの従い方は「言われた通り行動」「確かにそうやな行動」「そんな気してきた行動」の3種類に分かれる。
    「言われた通り行動」とは、ルール通りの行動をとり、行動そのものからみかえりを得るのではなく、「ルールを守ったことを称賛される」というみかえりを得るものである。
    ルールを定めた人の顔色をうかがうことになり、この行動が多いチームは心理的「非」安全なモードに陥りやすい。

    「確かにそうやな行動」は、ルール通りの行動をとるものの、行動そのものから「みかえり」を実感しているものだ。
    そのため、ルールが機能していない場合は、自分で修正を試みるといった心理的柔軟性を発揮しやすくなる。
    最後の「そんな気してきた行動」は他のふたつとは異なり、「みかえりの力を変える」効果がある。
    例えば、自分の仕事を楽しんでいる人には、すでに「仕事自体が楽しい」という行動のみかえりがある。そこに、その仕事の重要性を評価する言葉を投げかければ、「みかえりの力が上がる」ことになる。
    逆に、「その仕事は重要でない」と心ない言葉をかけられたら、その人は仕事が楽しくなくなってしまうことになるだろう。
    このように、みかえりの持つパワーを増強・減退させるのが、「そんな気してきた行動」の「言葉のルール」だ。

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    心理的安全性のつくりかた

    まずは感謝から始めよう


    現在、チームに心理的安全性が足りないとしたら、まずはあなたが率先して行動を変えてみよう。そのためのアイデアのひとつが「感謝から始める」ことだ。
    最も伝えることが簡単で、かつエンゲージメントにも効くと考えられる「理由をつけて感謝を伝える」ためには、3つのステップがある。
    まずは、「いつ・どんな時に、誰が、何をしてくれたのか」を具体的に思い出す。次に、「私にとって、それは何がありがたかったのか」を掘り下げる。
    そして最後に「実際に伝える」ようにする。
    これを実践しようとすると、普段からメンバーを気にかける必要があることに気がつくはずだ。これをきっかけに、あなた自身が、メンバーをよく見ている良いリーダーに変わることができる。
    まずはあなたの行動から、チームの心理的安全性をつくっていこう。

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    心理的安全性のつくりかた

    【内容紹介】
    いま組織・チームにおいて大注目の心理的安全性とは「何か」から、
    職場・チームで高めるアプローチ方法をつかめます!

    Googleのプロジェクトアリストテレスで、チームにとっての重要性が一気に認知された「心理的安全性」。
    本書ではその心理的安全性を理解し、心理的安全性の高い職場を再現できるよう、
    そのアプローチについて日本の心理的安全性を研究してきた著者が解説します。

    これまで心理的安全性はチームにとって重要なことだけが伝わり、
    指標もなくただ漠然とした概念だけが先行して語られてきました。
    そして先行した概念は人づてに伝わり、誤解を生み出しながら広まっています。

    本書では心理的安全性が「ヌルい職場」ではなく、健全な衝突を生み出す機能であることを解説し、
    日本における心理的安全性の4因子「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」を紹介します。

    また、研究でわかった心理的安全なチームリーダーに必要な「心理的柔軟性」と、
    4因子を活性化させるためのフレームワークを解説。

    さらに読者特典として、データサイエンティストでもある著者が開発した、
    組織診断サーベイ『SAFETY ZONE®』で心理的安全性を計測できます!

    本書によって曖昧に語られてきた心理的安全性が共通言語となり、
    指標化とアプローチ方法によって具体的かつ効果的な高め方を導き出せます。

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    今年こそ「やりたいこと探しの旅」を終わらせよう


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    やりたいこと探しを妨げる5つの迷信


    著者の「自己理解メソッド」の説明をする前に、やりたいこと探しをする際に陥りがちな5つの間違いを取り除いておきたい。
    最初の間違いは、やりたいことは「『一生続けられること』でなければいけない」と考えることだ。
    多くの人が100歳まで生きると言われ、社会の変化のスピードが上がっている中、一つのことに一生固執するのはむしろ危険だ。
    やりたいことは「今一番やりたいこと」でよいのだ。
    次の間違いは、「やりたいことを見つけた時には『運命的な感覚』がある」というものだ。やりたいことは試行錯誤して育てていくものであって、天から与えられるようなものではない。
    やりたいことを見つけても最初は興味レベルなのだと知っておこう。
    3つ目の間違いは、「『人のためになること』でないといけない」ということだ。自分を殺して人のために頑張ろうとするのは、単なる自己犠牲である。
    自分のやりたいことを続けていけば、それが結果として人のためにもなるのだ。
    4つ目の間違いは、「見つけるには『たくさん行動する』しかない」ということである。やりたいことがわからないのは、多すぎる選択肢から選ぶ力がないということだ。
    そこに選択肢をさらに増やすような行動をしても、余計に混乱してしまう。やりたいことを見つけるには、自己理解するしかないのだ。
    最後の間違いは「やりたいことが『仕事』にならない」という考えだ。やりたいことの実現手段は、やりたいことを探している段階で考える必要はない。
    やりたいことは自分の中にあるものだが、実現手段は自分の外側、社会の中にあふれている。実現手段を考えるのは、もっと先の話だ。
    この5つの誤解が解けたならば、次はいよいよやりたいこと探しだ。

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    世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド

    好きなこと×得意なこと=やりたいこと


    著者が提唱する「自己理解メソッド」は、「好きなこと」「得意なこと」「大事なこと」の3つを重要な柱としてすえている。
    著者の定義する「やりたいこと」とは、「『好きなこと』を『得意なやり方でやる』こと」だ。「好きなこと」とは、自分が興味を持っていて、もっと知りたいと感じる、情熱がある分野のことを指す。
    また、ここでいう「得意なこと」とは、自然と人よりもうまくできてしまう「才能」のことだ。これは、英語やプログラミングなど、後天的に習得できる「スキル・技術」のことではない。
    たとえば、「リスクを考えられる」「人の気持ちを考えられる」といった、自分にとっては自然にできるようなことで、どんな仕事でも使えるのが「才能」であり「得意なこと」だ。
    「やりたいこと」は、「What(何を)=好きなこと」×「How(どのように)=得意なこと」の組み合わせだ。よく、「好きなことを仕事にしたほうがよい」と言われることがあるが、好きなことだけを基準に仕事を決めるのは危険である。
    たとえば、本(What)が好きだからといって、本屋の仕事(How)が好きだとは限らない。「やりたいこと」を考える時は、具体的な仕事内容も自分にあっているかを見極めなければならない。
    著者の場合は「自己理解」が好きなことであり、「体系立てて伝える」のが得意なことだ。だから著者のやりたいことは「自己理解を体系立てて伝える」ことになる。これが本書のやりたいことの定義だ。

    「やりたいこと」に「大事なこと」をかけ合わせると、一段上の「本当にやりたいこと」になる。ここでの「大事なこと」とは、働き方を決める上で最も重要になる、「価値観」のことだ。
    「自由に生きたい」「人に優しく生きたい」といったことがこれにあたる。「やりたいこと」で示した「行動」だけでなく、価値観といった「状態」も合わさって初めて、「本当にやりたいこと」になるのだ。
    「なぜ仕事をするのか?」(Why)と聞かれた時に、「大事なこと」が答えになる。著者であったら、「人生に夢中になりたいし、なってほしい」からだと答える。
    3要素を組み合わせると、「人生に夢中になってほしいから、自己理解を体系立てて人に伝える」のが著者の本当にやりたいことだ。
    これらの3つの要素を明確にしておけば、就職・転職活動でも何を軸に考えればよいかわかりやすくなり、面接でも根拠を持って受け答えできるようになる。
    「なぜこの業界なのか?」には「好きなこと」、「どうやってこの仕事で成果を出すのか?」には「得意なこと」、「なぜこの会社なのか?」には「大事なこと」で答えることができる。

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    世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド

    自己理解メソッドの3つのルール


    自己理解メソッドを実行に移すにあたっては、3つのルールがある。
    最初のルールは、「『好きなことで生きる』は間違い」ということだ。「好きなこと」は、あくまで「仕事の目的」を実現するための「手段」であり、最終的な目的ではない。
    たとえば、飲食店を経営している人にとって、料理は来てくれる人を健康にしたり、居心地の良さを感じてもらったりするための手段である。自己満足な料理ではお客さんに価値を与えることはできない。
    また、変化の大きい時代に「手段」にばかり固執してしまっては、その事業が立ち行かなくなった時に途方に暮れてしまうことになる。
    飲食店の経営が苦しくなった時、料理という手段にこだわらなければ、目的を実現するための別の手段を選ぶことができるはずだ。まずは「大事なこと」から生まれる「仕事の目的」を最初に見つけることが重要だ。
    次のルールは、「『好きなこと』の前に『得意なこと』から見つける」だ。「やりたいこと」を考える時に、お金がない、仕事にならない、といった思考のブレーキを外すことは難しい。
    そこでお勧めなのが、まず「得意なこと」から考えるということだ。どんな状況でも使える自分の長所が明確になれば、思考のブレーキが外れ、やりたいことも見つかりやすくなる。
    最後のルールは「『細かい実現手段』は考えてはいけない」だ。「ブログを書く」「どの会社に転職するか」など、「実現手段」を考えるのは「本当にやりたいこと」が見つかった後だ。
    目的地が決まれば最適な移動手段が決まるように、「本当にやりたいこと」が決まれば、「実現の手段」もおのずと定まる。実行の手段は最初から考える必要はないし、また変えていってもよいものだ。

    価値観を知るための「大事なこと」


    自分と他人、どちらにとっても価値がある状態であることが、よい仕事の条件だ。そんな時、最も重要になるのは、「大事なこと(価値観)」だ。
    価値観は、目標と混同されやすい。価値観が方向を指し示すものであるのに対して、目標は自分が進む距離を決めるものだ。価値観を意識せずに目標を立ててしまうと、目標に対してモチベーションを感じることができなくなる。
    人生の目的地を明確にして、目標はその途中にあるチェックポイントだととらえよう。
    価値観に正解はない。人から共感を得られなくても、自分が「こう生きたい!」と思えるものであれば、それはあなたの本物の価値観だ。
    人は、「こう生きるべき」と親や社会からすり込まれた偽物の価値観を、自分のものだと勘違いしていることがある。
    著者のクライアントには、「もっと成長しないとダメだ」と言われ続けてきた人がいた。その人は、成長できる仕事を探して、辛くても「成長」という価値観にそって歯を食いしばってきた。
    しかし、それは本人が心から感じている価値観ではなかった。そのことに気づいてから、その人は「発見」が自分の本物の価値観であることにたどり着くことができた。
    自分の価値観がわかってきたら、一つひとつに「これは~したい?」「これは~べき?」と問いかけてみよう。「~べき」「~しなきゃ」という言葉が出てきたら、それは他人からの期待である。「〜したい」と思えるものが、あなたの本物の価値観だ。

    「得意なこと」とはあなたの「クセ」のようなものだ。それ自体では良いも悪いもないが、とらえ方によって長所にも短所にもなり得る。
    たとえば、「物事に慎重に取り組む」という「才能」は、ミスのない作業を求められる仕事では長所だが、スピード感を求められる仕事では短所になりうる。
    重要なのは、自分の才能をどうしたら長所として発揮することができるのかを理解することだ。
    短所をなくそうと努力するのではなく、別の視点から見てどのような長所になるかを考えてみよう。著者の場合は、「人と長時間一緒にいると消耗して疲れる」という「才能」をずっと短所だととらえていた。
    これを「一人で物事に没頭できる」という長所にとらえなおしたからこそ、著者はブログを書き、本を出すことができたのである。
    もし著者が、自分の短所を克服しようと「人の輪の中でニコニコしている自分」を目指していたら、著者の長所は埋没してしまっていたことだろう。
    苦手なことを克服しようという努力は、自己否定を加速させてしまう。人の才能に優劣はないのだから、自分の持っている「得意なこと」をうまく活用できるようになった方がよい。
    あなたの短所は「だからこそ」と考えれば一瞬で長所になる。「人見知りだから」と言い訳を探すのではなく「人見知りだからこそ」と、長所を探すのだ。「自分を変える努力」をするのではなく、「自分を活かす努力」をしていこう。

    とりあえず「仮決め」でOK


    あなたは、「将来のため」と、漠然と役に立ちそうな勉強をしようとした経験はないだろうか。これは、やりたいことを見つけるのを先延ばしにして迷走している状態だ。
    将来の可能性の中に生きるのはもうやめにしよう。あなたが最も成長するのは、あなたが本当にやりたいことに本気で向き合っている時だ。だから、やりたいことを今すぐに決めてしまったほうがよい。
    やりたいことは「仮決め」でかまわない。大事なのは、仮説を立てて行動しながら、よりしっくりくる「本当のやりたいこと」へとブラッシュアップしていくことだ。
    これは、やりたいことを見つけるために闇雲に行動することとはまったく異なる。「やりたいこと」は「好き」と「得意」がピッタリと合うことが理想であるが、いきなりこの2つがカチッとはまることは滅多にない。
    あなたの「本当のやりたいこと」の叩き台となる仮説を立て、そのうえで試行錯誤しながら修正し、どんどん「本当のやりたいこと」に近づけていく必要がある。
    著者は、一番楽しいのは自己理解を終えた後の人生だと断言する。あなたのポテンシャルは「本当にやりたいこと」に夢中になることで解放される。
    自己理解を終わらせて、やりたいことに夢中になって生き始めよう。

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    世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド


    もう迷いだらけの生活には戻らない!自分探しを終わらせる自己理解の教科書

    「何かやりたいけれど、何をやればいいか分からない」

    そんなエネルギーを持て余してしまっているあなたの人生が変わります。

    「やりたいこと探し専門プログラム」を開発した著者が教える初めての本。
    やりたいことは運命的に出会うものではなく、体系立てて論理的に見つけるもの。
    やりたいことの見つけ方が3STEPで体系立てて理解できる、自己理解の教科書です。

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    「普通の人」が戦略的にSNSを使う方法


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    「普通の会社員」が「プチ有名人」に


    SNSとは、個人間のつながりをサポートする会員制のウェブサービスを指す。厳密に言えばブログやTwitterはSNSに含まれないが、ここでは「Facebook」「Twitter」「ブログ」などのウェブサービスによる発信すべてを「SNS発信」とする。
    著者は本書で、実名でのSNS発信を勧めている。なぜなら、著者自身、実名でのSNS発信によって人生が変わったからだ。
    著者は新卒でNTTに入社した。支社勤務を経て本社のIR担当となり、会社への貢献を考えて懸命に働いてきたが、会社からは思うように評価されない。
    無力感を覚えることが増えていき、IT系のコンサルティング会社に転職することにした。しかしそこでもうまくいかず、再び転職。ここでも成果を出せず、クビの恐怖におびえていた。
    そんな状況から抜け出せたのは、ブログを書いていたおかげだ。あるブロガーのイベントに参加したとき、隣に座っていた人が自分のブログの読者だったのだ。
    一度も会ったことのない人が自分のことを知ってくれている。著者にとっては、「革命」だった。
    ブログの次は、SNSを始めてみることにした。すると、ネット業界の関係者の多くがSNSを通じてつながり、日常的にコミュニケーションをとっていることに気づいた。会社を超えた関係が、仕事にもつながっていたのだ。
    そこで著者は、会社での残業をやめ、個人でSNS発信をしながら、ネットワークの構築に注力しはじめた。ネット界隈では、所属していた会社名よりも著者の個人名のほうが有名になり、所属している会社に興味を持ってくれる人も増えた。
    会社に貢献できるようになることで、クビへの恐怖感はいつしか薄れていった。仕事以外でも、本を出版したり、別の会社の創立メンバーとして声をかけられて社長をつとめるようになったりと、人生が大きく変わっていった。

    SNS発信で「わらしべ長者」になる


    実名でのSNS利用を勧めても、ビジネスパーソンはいくつかの思い込みから、発信をためらいがちだ。ここでは、2つの思い込みを紹介しよう。
    まず、「文章力が必要」という思い込みだ。
    ビジネスパーソンのSNS発信には、高度な文章力は必要ない。個人のSNS発信は、「おしゃべり」の延長だ。身構えず、気軽に発信してみよう。
    次に、「自分には発信するようなネタはない」という思い込みだ。自分が持っている情報が有用なものかどうかは、自分で判断してはいけない。
    なぜなら、どんな立場の人のどんな情報であっても、それを求める人が必ずいるからだ。自分が持っている情報が誰かの助けになり、問題解決の糸口になる可能性は十分にある。

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    自分の名前で仕事がひろがる 「普通」の人のためのSNSの教科書

    SNS発信は、ネットでのコミュニケーションだけでなく、リアルにもいい影響がある。ここでは、SNS発信が仕事に役立つ理由を3つ紹介しよう。
    1つ目は「プルのコミュニケーション」ができることだ。
    「プルのコミュニケーション」とは、自分から電話をかけたり会いに行ったりする「プッシュのコミュニケーション」とは異なり、相手の方から情報を求めてやってくるコミュニケーションのことだ。
    プッシュのコミュニケーションはコストが高い。たとえば、ある映画について誰かと話したいと思ったら、こちらから行動を起こす必要がある。目上の人や社会的地位のある人が相手なら、さらに大変だ。
    しかも、相手が自分と同じことに興味があるかどうか、話してみるまでわからない。せっかく話しかけても、相手が興味を持ってくれなければ、押しつけがましくなってしまう。
    一方、プルのコミュニケーションは、プッシュよりもコストがかからない。情報を発信しておけば、それに興味のある人がやってきてくれる。
    情報をネット上に置いておくだけで、インターネット以前では絶対に出会えなかったような人と気軽に、かつスピーディーにつながれるというわけだ。この特性がビジネスに有用であることは、想像に難くないだろう。
    2つ目は、「蓄積効果」があることだ。普通のビジネスパーソンが発信できる情報は地味で小さなものだが、継続すれば実績として蓄積され、可視化されていく。
    インターネット以前は書き手と読み手の間に明確な線引きがあり、意見を発信できるのは限られた人間だけだった。
    ところが、インターネットによって、個人でも気軽に発信できる時代になった。自分の仕事に関連するテーマについての学びや気づき、雑感を発信しておくと、のちのち他の人に大きく差をつけることができる。
    3つ目は、「思考訓練」の効果だ。SNS発信は、自分の考えをアウトプットする場である。発信によって、自分の考えをまとめる訓練ができる。
    インターネットが普及した今、情報を記憶しておく必要はなくなった。それよりも、ネットを駆使して、必要な情報を必要なときに引き出せるようにしておくほうが重要だ。
    そこで意味を持つのがアウトプットだ。人間は、読んだことはすぐに忘れてしまうが、アウトプットしたことは記憶に定着しやすい。
    情報をインプットしたら、SNS上でアウトプットしておこう。そうすれば、あとから検索で必要な情報を取り出すことができる。

    面倒でも手続きを踏もう


    ビジネスパーソンがSNS発信を行うにあたり、怠ってはならないのが就業規則の確認だ。
    SNS発信に対する組織のスタンスは大きく3つに分けられる。明確に禁止している組織、なんとなく禁止の雰囲気のある組織、そしてSNS発信を推奨している組織だ。
    私たちには言論の自由があり、本来就業時間外のSNS発信を禁じられることはないはずだが、強行突破は禁物だ。SNS発信の目的や使うツール、発信内容、発信しないこと、発信によって期待できる効果などをまとめ、上司に打診するといいだろう。
    無事に許可が得られたあとも、実際に行っている発信や得られたメリットなどを日常的に共有しておけば、上司との関係は良好に保てる。
    発信が認められても、発信内容には注意が必要だ。社会人として、就業規則に違反しないこと、社外秘や仕事で知り得た情報を漏らさないことなどには注意したい。
    特にはじめのうちは、直接的に仕事の話を書かないことが重要だ。自分が持っている情報の中には、他部署や取引先が公にしてほしくない情報もあるだろう。
    こうしたことを的確に把握できるようになるまでは、直接的に仕事の話はせず、たとえ話を用いる、抽象化するなどの工夫をする。

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    自分の名前で仕事がひろがる 「普通」の人のためのSNSの教科書

    どのツールで発信するかを決めたら、さっそくアカウントを作る。仕事に役立てたいなら、実名での登録が基本だ。実名でないと、リアルのビジネスにメリットがない。
    どうしても実名発信が怖いという場合は、匿名で始め、慣れたころに実名に切り替えてもいいだろう。実名登録が基本であるFacebookを利用して、実名のコミュニケーションに慣れておくのもひとつの方法だ。
    プロフィールに組織名を明記するかどうかは、上司と相談して決める。本来ならば組織名も出したほうがいいが、難しい場合もあるだろう。それでも大まかな業種や職種など、出せるものは出しておくことがお勧めだ。
    いざ発信を始めるとなっても、いきなり自分の意見を発信しはじめるのは難しい。まずはその発信ツールにおけるコミュニケーションの雰囲気や作法を知るために、ひたすら見る、読むことから始めよう。
    仕事に役立てたいなら、まずは「師匠」のような人の発信をフォローする。リアルでは気軽に会えない人でも、ネット上なら簡単につながれる。また、同じ業界で自分に近い立場の人の発信に注目するのもいい。
    慣れてきたら、リアクションをしてみよう。他の人の発信にコメントをつけたり、「いいね」を押したり、リツイートしたりしてみる。

    リアクションに慣れてきたら、いよいよ自分の発信を始める。発信のハードルを上げないために重要なのは、発信を「自分のメモ」だと考えることだ。
    セミナーに参加したり、本を読んだり、ニュースを見たりしたとき、メモを取ることは多いだろう。それを自分のパソコンの中や手帳に書いておいただけでは、ほとんど見返さないはずだ。ならば、そのメモをネット上に公開してみよう。そうすれば、あとから検索しやすくなるし、それを見た人との「プルのコミュニケーション」が生まれる可能性もある。
    「自分のメモ」に何を書くか。続けやすいテーマは「イベント」「ニュース」「本」の3つだ。それぞれ内容のまとめに自分の意見を添えてみよう。ただし、イベントの場合は、内容を公開してもいいかどうかをよく確認しておく。

    ロールモデルを見つける


    本書では、10の「発信のポイント」が紹介されている。要約では、そのうち2つのポイントを取り上げる。
    まず、「ロールモデルを見つけ、自分らしさを確立する」だ。インフルエンサーの真似をする必要はない。自分らしい発信を心がけよう。
    とはいえ、いきなり自分のオリジナルスタイルを確立するのは難しい。そこで、「こうありたい」というロールモデルを見つけ、しばらくその人のスタイルを真似してみるといい。
    ロールモデルの真似をしていると、「もっとこうしたい」という部分が出てくるはずだ。ロールモデルのスタイルをベースとし、そこに自分のテイストを加えていけば、自然と自分のスタイルを確立できるだろう。

    その人が興味をもちそうな切り口、表現を考え抜いて書いたメモは、本人だけでなく、その人と似た属性の読者の興味も引きつけるからだ。
    はじめのうちは、周りにいる同僚や友人、家族などを想定して書いてみよう。その人たちに、「こんなことがあったんだよ。どう思う?」と語りかけるつもりで書く。
    慣れてきたら、身近な人以外で、読んでもらいたい人を具体的にイメージする。そうして、相手に合わせて内容や表現を工夫すればいい。

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    自分の名前で仕事がひろがる 「普通」の人のためのSNSの教科書

    組織で働く人は炎上や秘密漏洩を恐れて、ネット発信に及び腰になりがち。
    しかしそうした「普通」の人ほど仕事上のメリットは大きいのです。
    トラブルを起こさない、懐疑的な上司を説得できる、本業に支障が出ない程度に気軽に続けられる、でも、着実に自分の名前で仕事がひろがっていく、そんな方法が、実はちゃんとあります。
    ヘッドハンターからスカウトメールが来た、自著を出版できた、講演会の講師に呼ばれた、顔が知れて社内での仕事が円滑にまわるようになった、といった個人的なメリットから、勤務先に大口の発注が来たり、超一流の外資系企業から日本の事業パートナーに選ばれたり、勤務先企業に利益をもたらすことも。営業、出世、人脈、PR、転職、出版などチャンスは確実に増えていきます。本書は、組織に属しながらビジネスチャンスを広げることを目的としたネット発信の方法を丁寧に解説。「バズる」「稼ぐ」とは一味ちがった、誰もが使えるネット発信の教科書です。

    ##目次
    Prologue
    ネットとリアルを分けない発信がビジネスを制す
    バズらなくていいし、ビビらなくていい
    組織人こそキャリアアップにつながる
    「リアルの延長線上」でつかう
    ネットを恐れる組織
    「したたか」に発信しよう
    「Withコロナ」「Afterコロナ」こそ

    Chapter.0
    ぼくはSNS発信に人生を救われた
    「普通」の会社員が「プチ有名人」になるまで
    巨大企業からのネガティブ転職
    クビの恐怖でゲーム廃人寸前に
    ブログが起こしたリアルの「革命」
    「大企業的思考回路」からの脱却
    ブロガー企画起ち上げでプチ有名人に

    Chapter.1
    ネット発信で「わらしべ長者」になる
    「ハプニング」を生む「プルのコミュニケーション」
    障壁となる「思い込み」
    文章力や完璧さは追求しない
    「メディア」だと思わない
    お金儲けを考えない
    役立つ情報かどうかは自分で判断しない
    仕事に役立つ3つの理由
    (1) 「プルのコミュニケーション」ができる
    (2) 「蓄積効果」がある
    (3) アウトプットが「思考訓練」になる
    組織に依存しなくなると仕事がうまくいく
    「シンデレラ」でなく「わらしべ長者」をめざそう
    [Column1] 今、ぼくらがネット発信をする意味

    Chapter.2
    「アウトプット・ファースト」でいこう
    自分のための「メモ」からはじめる
    【準備編】
    発信ツールの特性を知る
    発信ツールは組み合わせてつかう
    就業規則の確認は抜かりなく
    強行突破はせず「手続き」を踏む
    慣れるまで仕事の話は書かない
    いきなり実名発信がこわいなら
    最初は傾聴、慣れたらリアクション

    【発信編】
    失敗しない「自分のためのメモ」
    続けやすいのは「イベント」「ニュース」「本」
    発信のポイント1 軸を決め、キャッチコピーをつける
    発信のポイント2 「アウトプット・ファースト」でいく
    発信のポイント3 自分なりのペースを見つける
    発信のポイント4 ロールモデルを見つけ、自分らしさを確立する
    発信のポイント5 PDCAを回していく
    発信のポイント6 自己ブランディングに役立てる
    発信のポイント7 「この人に読んでもらいたい」という気持ちで書く
    発信のポイント8 「徳力メソッド」を使う
    発信のポイント9 対面で言わないことは発信しない
    発信のポイント10 計画に時間をかけすぎない
    ぼくなりの書き方
    [Column2] もし、上司ににらまれてしまったら<? br><; br> Chapter.3
    アウトプットを、したたかにズラす
    「メモ」からコミュニケーションを生む
    「自分のためのメモ」に小さな工夫をする
    「プルのコミュニケーション」をうまく利用する
    ズラすコツ1 意中の人や企業に探される準備をする
    ズラすコツ2 運営元に選ばれる話題や切り口で書く
    ズラすコツ3 流行りものには飛びついておく
    ズラすコツ4 未来に重きを置き、ポジティブに書く
    ズラすコツ5 ニッチに絞り「深さ」で勝負する
    ズラすコツ6 正論よりも不完全を残す
    ズラすコツ7 リアルを組み合わせる
    ズラすコツ8 横のつながりに目を向ける
    ズラすコツ9 無理ない範囲で背伸びをする
    ズラすコツ10 量より質、数より熱量を重視する
    [Column3] ぼくらに起こった「ハプニング」事例

    Chapter.4
    ビジネスパーソンは「逃げるが勝ち」
    「火事場のヤジ馬」にならない
    リターンとリスクは表裏一体
    炎上とディスカッションの違い
    炎上を引き起こす三つの背景
    不適切なことをしなければ炎上しない
    録音・録画されてテレビで流れても問題ないか
    「フィルター」をもっておく
    話題に気をつけ、対立構造に入らない
    最初の対応を間違えない
    説明するときは場を変える
    エゴは認め、フィードバックに感謝する

    Epilogue
    本を閉じる前にアカウントをつくろう

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    「1万円のネギ」から学べるブランディングの極意

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    30代で脱サラし、就農へ


    学生時代にスポーツにのめりこんだ著者は、体操や卓球で抜きんでた成績を残す。「すべては練習量で決まる」を信条とし、「一番になるまでやめない」と決めたら徹底的にやり抜いてきた。
    高校卒業後は一時期「燃え尽きて」しまったものの、体育会系で年上に可愛がられるタイプだった著者は、金融系の会社の面接を経てすんなり入社が決まる。
    それまでスポーツばかりしてきた著者は、簡単な漢字も書けず、ひらがなばかりの履歴書を提出した。これでは本部の審査を通らないと、面接をしてくれた支店長に教わりながら漢字で書き直すことになった。
    入社後も問題は続く。割り算ができないので利息計算もできなかった。人より遅れているから努力するしかないと感じた著者は、漢字も計算も猛特訓し、誰よりも長い時間働いた。
    消費者金融の回収の業務を担当するようになると、相手の懐に入る術を身につけ、頭角を現すようになる。21歳のときには北海道・北見支店の支店長を任せられ、半年で支店の営業成績をトップにしてしまう。
    その後、北海道ブロック長を経て、25歳という異例の若さで全営業部隊のトップに立った。
    所属していた消費者金融会社は他社へ売却されるが、会長に気に入られていた著者は、その後グループ内子会社の社長を7社ほど任せられ、様々な業種を経験していく。


    雇われ社長時代、「もし業績が上向かなかったら、死んで詫びよう」と本気で思っていたという著者は、体の違和感など気に留めなかった。しかし、30歳を迎える頃、身体は悲鳴を上げ始める。
    2.0だった視力は働き出してから0.1にまで下がり、後天性無汗症という汗をかかない病気も発症。この病気は今も治らない難病である。「あんた、なんか死にそうだよ」と妻に言われるほど異常に顔色が悪かった。
    ストレスが身体の内外に噴出し、文字通り「限界」だった。
    「そろそろ自分の事業をやってみたいな」と考えるようになっていたタイミングでもあった頃、妻の故郷である山形県天童市に住む親戚から愚痴を聞かされる。
    「農家に元気がまったくない。あんたが元気にしてくれ」と。
    すぐにその気になってしまう性格の著者は「俺が山形の農業を元気にしてやろう!」と意気込み、周囲の反対を押し切って、2011年3月に天童市に移住することを決める。

    品質や原価を考慮しない価格づけ


    農業を始めた著者を打ちのめしたのが、農業市場と単価の問題だ。
    農作物の価格は、品質や原価とは無関係に決まる。多くの農家は通常、農業協同組合(農協)を通じて作物を出荷している。市場では、農作物の値段は競りで決まるため、値段は乱高下する。
    品薄の時期には倍になるし、品物があふれている時期は半額にもなる。著者はこの事実に大きな違和感を抱いた。
    著者の場合は、農業を始めて1年目のネギよりも、うまくできたはずの2年目のネギの方が価格が低かった。価格が上がるメリットを享受できることはほとんどないが、価格が下がるデメリットは経営を揺さぶる。
    経営を安定させるためには、市場を通すとデメリットの方が大きいと感じるようになる。
    農協だけに頼ってはダメだ。そう感じた著者は、ネギのヘビーユーザーである蕎麦屋に目をつけた。持ち前の営業スキルで蕎麦屋にネギを仕入れてもらうようになる。
    2年目からはスーパーへの営業も行い、各地のスーパーとの直取引を開始する。4年目に首都圏のスーパーと契約してからは、全国展開のスーパーでも扱ってもらえるようになった。今では全国の三越伊勢丹や紀伊國屋などの高級スーパーとの取引も実現している。
    スーパーとの直接取引で、利益が大きく増えたわけではない。時期によっては、市場に出していた方が得であったときすらある。
    しかし、直取引の最大のメリットは一年を通して安定した売り上げが確保できることだ。これで経営を安定させることができる。

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    なぜネギ1本が1万円で売れるのか?

    スーパーとの直取引で売り上げを安定させた後は、ネギの単価を上げることに取り組み始める。ネギを育てるためにかかる経費は年々上昇しているが、小売価格だけが20年ほど変わっていなかったのだ。これでは農家はやっていけない。
    最初はスーパーで3本98円で売っていたネギを、3本158円、3本198円と上げていく。さらに、スーパーと交渉して束ねる数だけを変え、2本で198円にまで価格を上げることができた。
    しかし、そこからさらに値段を上げることはなかなかできなかった。庶民的な野菜であるネギに、それ以上の価格をつける理解が得られなかったのだ。
    そこで考えたのが、ネギのブランド化だった。
    農業開始から4年目に、あるバイヤーから「このネギおいしいからお歳暮で送ってもらえない?」と言われたことから、特別おいしく立派なネギを、贈答用の高級品として売り出すことを思いつく。
    翌年には8本1万円の贈答用ネギ、「真の葱」の販売を開始する。年30セット限定のこの商品は、毎年売り切れるほど好評になった。
    1年間に200万本も出荷する著者の畑の中からは、ビックリするほどの太さで見た目も良く、味もこの上なくおいしい「芸術品」と呼ぶべきネギが生まれてくることがある。
    著者はこれに「モナリザ」と名付け、1本1万円という最上級の値段設定で2019年に予約注文を開始した。しかし、台風の影響で初年度は「モナリザ」が生まれず、注文をキャンセルせざるを得なかった。
    翌年には無事モナリザが生まれ、完売に成功している。
    「真の葱」の販売開始後には、2本298円で売ってくれる東京のスーパーが登場した。モナリザの発表後には2本398円、498円という店も出てきた。
    「真の葱」や「モナリザ」によって、ねぎびとカンパニーはブランド化に成功し、普及版のネギの単価をも上昇させることができた。「あの高級ネギを売っているところだったら、普及版のネギもきっとおいしいに違いない。
    ちょっと高くても買ってみよう」と思ってもらえるからだ。たった数本の超高級ネギが、残りの200万本の単価を引き上げたのである。


    ネギのために重機を「改良」


    高い品質と生産のために、著者は「土寄せ」の作業を大事にしている。土寄せとは、ネギの成長段階に合わせて、茎元に土を寄せる作業だ。土を飛ばしてネギの周辺にかける機械である「管理機」で行う。
    この機械は本来前向きに進むものであるが、著者の会社では独自に改良を加え、後ろ向きに進むようにしている。
    前進しながら作業をすると、せっかく耕した土を自分で踏みしめて、圧をかけることになる。そうして固くなった土は、乾燥しにくくなり、雑草が育ちやすくなってしまう。
    土をフカフカに保っていれば、雑草を生やさずに済む。だから、「自分が踏んだあとを耕す」という順番を徹底しているのだ。
    土を飛ばす刃の部分にも改良を加えた。市販のものよりも広範囲に土をかき混ぜることができるようにし、刃の向きや方向も微調整ができるようになっている。
    一般的な農家では土寄せを3~4回しか行わないが、著者の会社では成長段階に合わせて管理機の微調整も行いながら、7~8回は土寄せを行うという。これこそが、ネギの質を決める肝だと考えているためだ。
    一般的な農法ではネギの上部まで土を寄せ、ネギの下の方の葉には土をかぶせて枯らしてしまう。しかし、著者は「ネギの顔色を見ながら、気づかれないくらいに少しずつ」土寄せをし、全ての葉を枯らさずに残している。
    多くの葉で光合成をしたネギは太り、うまみを増していく。

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    なぜネギ1本が1万円で売れるのか?

    農作業を「競技」にする


    最後に、著者が会社の生産性を上げるために行っている組織づくりについて紹介する。収穫や出荷の作業は、単調な作業が続くことになる。これをいかに従業員にノリノリにやらせることができるかが、チームプレーに強い著者の腕の見せ所だ。
    学生時代にスポーツにのめり込んだ著者は、農作業にも競争を持ち込めば生産性が上がることに気づいた。
    ネギむきの作業で、「今日は誰が何コンテナむいたのか」という実績を表にして毎日貼り出した。たったそれだけのことで、かつては午後3時までかかっていた作業が、午前中に終わるようになった。
    そして、「あの人は8コンテナもむいた」「あの人、今日は11コンテナいったらしい。どうしたらそんなことができるのだろう」と、社員がそれぞれに工夫をしだすようになったのだ。
    工夫して結果が出れば、楽しくなってくるのが人間だ。皮むき班は、今では会社平均を引き上げようと張り切っているそうだ。

    出荷時の段ボールへの詰め込み作業では、ちょっとしたルールを徹底することで効率化を図っている。
    2Lサイズというサイズのネギは、段ボールに30本入る。この段ボール詰め作業をするとき、絶対に片手で3本ずつ、両手で計6本を掴み、全5回で入れなければならないというルールがある。
    もしこれを、5本・6回作業にした場合、1日で計算すると200回分の作業が増えることになる。人件費にすると1年間に60万円もの差が出る。
    「6本・5回、5本・6回でもどっちでもいいじゃないか」というわけにはいかないのだ。

    ねぎびとカンパニーは、2019年に山形県ベストアグリ賞の最優秀賞である農林水産大臣賞を受賞した。受賞の大きな理由は、それぞれの事情に合わせて好きな時間だけ仕事ができる、という労働形態だ。
    「午前中の2~3時間だけ働きたい」「夕方の数時間だけ働きたい」といったニーズに、柔軟に対応できる仕組みを構築している。
    従業員が楽しく働くことほど、生産性を上げる方法はない。そのために社長がするべき仕事は「仕組みを変えること」だ。
    農作業を「競技」のようにしたのもその工夫の一つである。軍隊のように強制しなくとも、それぞれの特性を生かすことで、個々の生産性を上げることができる。
    まるで部活に打ち込む中高生のように、従業員が自ら工夫して切磋琢磨していくなかで、技術レベルが業界平均を突き抜け、結果的に会社の売上が上がる。それが著者の思い描く最高の会社だ。

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    なぜネギ1本が1万円で売れるのか?

    失敗に次ぐ失敗、それでも僕たちは、ネギ界のダイソンを目指す!

    ミシュラン星付きのシェフは唸り、スーパーのバイヤーたちは喜び、大手種苗会社の営業担当者は膝を打つ。「ブランド創り」「マーケティング」「営業の肝」「働き方」・・・・・・、常に革新を求める彼のネギにはビジネスのすべてが詰まっている!!
    風雲児による、おもしろすぎる経営論。

    ●相手を見極めるのがポイント
    ●常識を疑え
    ●物量は力なり
    ●3本セットから2本セットに替えた理由
    ●なぜスーパーに営業をかけたのか
    ●高いものを安く見せる
    ●作業はバックが鉄則
    ●土寄せの極意
    ●有機肥料が良い理由
    ●作業を時速で考える
    ●畑は小さいほうがいい
    ●端っこ2メートル問題
    ●サポート係で4割の生産性向上
    ●自分のペースで働ける会社に


    清水寅、身長158センチ。「初代葱師」を名乗る彼は、「ねぎびとカンパニー」という会社の経営者でもある。高校卒業後、金融系会社に就職。その後営業で頭角を現し20代で7社の社長を歴任。そこから30歳でまったく無縁だった農業の世界に飛び込み、ネギ農家に。多くの失敗を重ねながら、持ち前のバイタリティと探究心、そしてサラリーマン時代に培った経営感覚で、農の世界で大きな渦を巻き起こしている。

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    なぜ「ランナーズハイ」が起こるのか?


    多くの人が、ランナーズハイを陶酔状態に例えている。
    たとえばイギリスの文化史家であるヴァイバー・クリガン=リードは著書『フットノート (Footnotes)』のなかで、ランナーズハイの感覚を「密造ウイスキーの様に強烈だ。誰かれかまわず声をかけて、きみは何て美しいんだ、世界は何てすばらしいんだろう、生きてるって最高だね、なんて言いたくなる」と書いている。
    また、ランナーズハイはランニングだけでなく、ハイキング、水泳、サイクリング、ダンス、ヨガなどの持続的な運動でも得られることがわかっている。
    最近の研究では、ランナーズハイで多幸感を得られるのは、人類の狩猟採集生活と関係していることが指摘されている。
    400万年前の猿人たちは、直立歩行だが樹上で過ごす時間が多く、枝をつかみやすいように足指が長くて曲がった足をしており、走るのには適していなかった。
    だが200万年前、大規模な気候変動で地球の温度が低下。東アフリカでは森林地帯が減少し、まばらな森や広い草原が出現した。原始人は獲物を狩ったり木の実を収集したりするために、広範囲を移動する必要に迫られた。
    現代人のように扁平で地面を蹴りやすい、走るのに適した足が登場したのは、化石記録によると100万年から200万年頃のことだ。自然選択によって、長時間の狩りを続けられる、走るのに適した身体的特徴が優性になったためだと考えられる。

    とはいえ、身体が走るのに適していても、夜明けから日没まで狩りをしたり、ひたすら木の実を摘んだりするのはつらいものだ。
    アリゾナ大学の人類学者であるデイヴィッド・ライクレンは、人間は空腹を満たす目的だけでそのような苦行に耐えられるかどうか疑問を持った。そしてランナーズハイについて、ある仮説に至った。
    人類は進化の過程で快感をもたらす脳内化学物質の働きを利用し、持久力を発揮すると報酬が得られる仕組みを持ったのではないかと。ライクレンは、それこそがランナーズハイなのではないかと考えた。

    20分の「ややきつい運動」でハイになる


    ライクレンは、ランナーズハイと内因性カンナビノイドという脳内化学物質の関連性に着目した。
    内因性カンナビノイドは、大麻やマリファナのように苦痛を緩和し、気分を向上させたり心配事やストレスを軽減したりする効用がある。
    ライクレンは定期的に走っている人たちを集め、トレッドミルを用いて、さまざまな強度のトレーニング実験を行った。
    実験では、トレーニング前後に被験者の採血をして、内因性カンナビノイドの血中濃度を調査した。
    その結果、30分間のウォーキングや全速力で走った場合だと効果はなかったが、ジョギングになると内因性カンナビノイドの血中濃度が3倍も増え、被験者はハイな気分になったと報告した。
    またランニングだけでなく、サイクリング、ハイキングなど、心拍数が上昇する持久性運動であれば、内因性カンナビノイド値が上昇し、ランナーズハイに相当する高揚感が得られることもわかった。
    ランナーズハイは、ややきつめの中強度の運動を20分継続することで起きるのだ。

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    スタンフォード式人生を変える運動の科学

    運動そのものが「麻薬」?


    1970年、ニューヨーク市・ブルックリンの精神科医フレデリック・ベークランドによって、定期的に運動している人が運動をやめると眠れなくなり、深刻な精神的苦痛を感じることが報告された。
    その後も多くの研究で、毎日運動をしている人は1日でも運動を休むと不安や苛立ちを感じ、3日間運動しなければうつ病の症状すら表れることがわかった。
    運動愛好者は、依存症の人と共通点がある。運動が大好きな人が自ら、「麻薬中毒者が麻薬を欲しがるようなもの」と言うことすらある。
    実際、“運動中毒”を自認している人がトレーニングをしている人物の画像を見ると、欲求を司る脳内神経回路が活性化するのだ。

    ラットを用いた研究だと、ランニングホイールで1日10キロを1カ月間走らせると、ラットのドーパミン作用性の神経細胞に、コカインやモルヒネを毎日投与したのと同様の変化が起きた。
    そのラットは、ランニングホイールから24時間引き離しても、そのあとまた接近させると、夢中でランニングホイールを走り続けた。
    運動は常習性薬物と同じように、ドーパミンやノルアドレナリン、内因性カンナビノイド、エンドルフィンなどといった脳内化学物質の分泌を引き起こす。
    ただし運動とコカインでは違いもある。それはタイミングだ。運動に夢中になるには、より多くの時間がかかる。
    ランニングホイールで2週間走らせるだけだと、ラットは走るのに夢中にならない。6週間を過ぎた頃から、やっと走る距離が日ごとに増えて、脳の神経信号もラットが走るのに夢中になっていることを示すようになる。
    人間の場合も同様だ。
    ジムの新規会員を対象とした実験によると、新しい運動習慣を定着させるのには、週4回のトレーニングを6週間継続する必要があったという。運動は、続けていくうちにだんだん楽しくなるものなのだ。

    集団的な喜びと「シンクロニー」


    1912年、フランスの社会学者エミール・デュルケームは、儀式や遊びや作業において人々が一体化して動くときに感じる自己超越的な高揚感を、「集合的沸騰」と表現した。
    運動仲間やチームメイトを、まるで家族のように感じることがある。そうした集合的沸騰による喜びを感じる能力があるのは、人間は生きていくために力を合わせる必要があるからだ。
    イギリスの人類学者であるアルフレッド・レジナルド・ラドクリフ=ブラウンは、インド東部のベンガル湾のアンダマン諸島で、先住民族の儀式を観察した。
    そして儀式がもたらす驚くべき心理的効果と儀式の同調性(シンクロニー)について、こう言及している。
    「その男性の踊り手は、舞踊に没頭するうちに仲間と一体になって我を忘れる。やがて強烈な高揚感に包まれた彼は、尋常ならぬエネルギーと力に突き動かされ、自信に満ちて驚異的な舞踊をやりとげる。このような陶酔ともいうべき境地を味わいながら自尊心が頭をもたげることで、踊り手は力がみなぎって、自己の価値が高まったように感じる。それと同時に、踊り手はすべての仲間たちと恍惚とした完璧な調和でつながっており、仲間に対する親しみが増すのを感じる」
    集団的な喜びがもたらす効果には、高揚感や恍惚とするような調和の他に、親しみや協力という副次効果もある。
    つまり皆で動きを合わせると、信頼感が高まり、仲間同士の分かち合いや助け合いが促進されるのだ。

    集団的な喜びの重要な役割は、お互いの協力をうながし、社会的なつながりを強化することにある――人類学者たちはそう考えている。
    私たちは一緒に身体を動かすと、原始的な本能により強い結びつきを感じ、仲間のために進んで協力しようとするのだ。
    別の研究でも、参加者らが足並みを揃えて歩いたり、音楽に合わせて足を踏み鳴らしたりするだけで、そのあとに実施した経済ゲームで積極的に協力し合い、みんなの利益のために自分の利益を犠牲にし、見知らぬ相手を助けようとすることが確認されている。
    このような人間の行動と、チンパンジーやゴリラ等の霊長類が互いの体からダニやノミを取り払う「社会的グルーミング(毛繕い)」との類似点を指摘する人類学者もいる。
    動物が毛繕いをするのは、衛生面や外見を整えるのが目的なのではなく、絆を深めるためだ。お互いに触れ合うと、高揚感をもたらすエンドルフィンが分泌され、つながりが強まり仲間意識が形成される。
    毛繕いをする仲間同士は食べ物を分け合うし、争いが起きたときに互いの味方をすることがわかっている。
    霊長類だけでなく人間の場合も、エンドルフィンが見知らぬ他人同士のつながりを強化する。私たちは笑ったり、歌ったり、踊ったり、物語を語ったりするが、こうした社会的グルーミングをするからこそ、短期間で大きな社会的ネットワークを形成できるのだ。

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    スタンフォード式人生を変える運動の科学

    「動きの質」で自己認識が変わる


    自分の体の動きを認識する能力を「固有受容」と呼ぶ。
    固有受容は、自己概念の形成において大きな役割を持っている。これが「私」だという自己認識の感覚を生み出す脳の領域は、体の筋肉や関節、心臓や肺、消化器などから、信号を受信する。これらの内因感覚が、「自分らしさ」を形成するのだ。
    たとえば優雅な動きをするとき、人は脳が手足の伸びやかさや、足取りのなめらかさを感知し、「私は優雅だ」と認識する。
    力を込めた動作をするときは、脳が筋肉の抵抗と腱の張りを感知して、「私は強い」と認識する。こうした感覚こそが、自分はどんな人間でどんな能力のある人間なのかという自己認識のもととなる。
    「どうせ私なんて年だから」「不器用だから」「太っているから」「調子が悪いから」「体力がないから」といった思い込みも、自分の体を動かすと払拭されるケースが多い。
    心理的外傷を負った人々のトレーニングを担当するローラ・コウダリーは、こう述べる。
    「小柄なせいだけじゃなく、生活環境のせいで、自分は小さな存在だと思い込んでいた女性たちを、何人も見てきました。そういう人たちが、自分ではとても無理だと思っていた重量のウェイトをもち上げると、さっそうとした足取りで帰っていきます。予想以上に重いものをもち上げたことで、自分が思っている以上の実力を発揮できることを、みずから示したのです」

    グリーン・エクササイズの効果


    心理学では、自然のなかで行う運動を「グリーン・エクササイズ」と呼ぶ。屋外で体を動かして5分もすると、気分は上向きになり、楽観的になることがわかっている。
    韓国のソウルでうつ病を患った中年の患者たちが、週1回の認知行動療法のセラピーを受ける前に、木々や高原植物の豊かな洪陵(ホンヌン)樹木園で散歩をした。すると1カ月後、患者たちの61%は寛解状態となっていた。
    この数字は、散歩をせずに病院内でのセラピーを受けた患者たちに比べて3倍も高い。
    しかもグリーン・エクササイズの場合、ランナーズハイとは異なり、向精神作用がすぐに表れる。
    なぜならグリーン・エクササイズの効果は、内因性カンナビノイドやエンドルフィンなどの高揚感をもたらす脳内化学物質に起因するものではなく、脳のDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)の活動を非活性化させるために起こるからだ。
    人間の脳は安静時でも、記憶や言語、心的イメージや推論などが活性化している状態にある。この状態をデフォルト状態と呼ぶ。
    ほとんどの人のデフォルト状態には、ネガティブ・バイアスがかかっている。過去のつらい経験を何度も思い出したり、自分自身や他人を批判したり、心配すべき理由をしつこく考えてしまったりするのもそのためだ。
    このデフォルト状態を沈静化するには瞑想が効果的だということが、脳画像検査によって明らかにされている。それと同様に、グリーン・エクササイズにもデフォルト状態を沈静化する効果がある。

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    スタンフォード式人生を変える運動の科学

    『スタンフォードの自分を変える教室』著者、最新作!
    為末大氏推薦!

    「体を動かすこと」は、私たちの不安や孤独感を消し去り、喜びと希望を与えてくれる。
    心理学から神経科学、人類学まで最新知見を結集し、その奇跡の力を解き明かす。
    【日本語版読者へのメッセージ】
    いまは大変な時期ですが、ダンスやヨガやキックボクシングなど、
    毎日の運動のおかげで、私は希望をもって過ごしています。
    体を動かしていると、私はいきいきとした気分になって、
    自分よりも大きな存在とのつながりを感じます。
    みなさんもぜひ、体を動かす喜びを見つけてください。
    みんなで一緒に乗り越えよう――体を動かせば、そんな思いが湧いてきます。(ケリー・マクゴニガル)


    【運動について明らかになった科学的事実の一例】
    ◎毎日の平均歩数が「5649歩」を切ると、不安や落ち込みが増大する
    ◎運動嫌いでも「週3回×6週間」の継続で「運動依存症」になる
    ◎脳内化学物質の活性化で「うつ病」「不安症」「孤独」を防ぐ
    ◎「希望の分子」ホルモンが、脳のストレス耐性を高める
    ◎幸福ホルモン「エンドルフィン」の効果で、人との絆が深まる

    【目次】
    第1章 持久力が高揚感をもたらす
    第2章 夢中になる
    第3章 集団的な喜び
    第4章 音楽に身をまかせる
    第5章 困難を乗り越える
    第6章 いまを大切に生きる
    第7章 ともに耐え抜く

    【担当編集者より】
    運動の効用は、健康増進やダイエットにとどまりません。
    やりとげる力、他者とのつながり、困難に立ち向かう勇気。
    人生を充実させる全てが、体を動かすことで手に入ります。
    本書は、人類誕生から受け継がれてきた「運動と幸福」のメカニズムを解き明かす
    知的エンターテイメントにして、最高の人生をおくる為の究極の実用書です。
    パンデミックという困難な状況下にある今だからこそ、体の健康だけでなく、
    メンタルヘルス維持のためにも、できる範囲で「体を動かすこと」が重要なのだと痛感しています。

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    思考力を格段に上げる、具体化と抽象化の「往来術」

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    「具体」と「抽象」の違い


    人類の知の発展は、2つの軸で捉えることができる。1つは「知識の拡大」だ。知識や情報の量的な拡大である。もう1つは「抽象化」である。具体から抽象へ、知の抽象度を上げることで、私たちは知を発展させてきた。
    知識の拡大とは、数や種類が増えることであり、いわば横への拡がりであることから、「横軸」と表現しよう。一方で抽象度の上昇は、質が上がることを指すため、「縦軸」とする。
    人類の知は、この横方向と縦方向の2つの軸で発展してきた。横軸を底辺に、縦軸を高さにしたピラミッド(三角形)を思い描いてみて欲しい。本書ではこれを「具体⇄抽象ピラミッド」と称し、さまざまな事象をこのピラミッド構造で説明していく。

    ピラミッドの縦軸は、本書のテーマである「具体と抽象」という、質的な発展を指す。この発展を促すものには、(1)「法則の発見」と(2)「言葉や数といった抽象概念の発展」の2つがある。
    1つ目の代表例は、自然科学におけるさまざまな法則である。個々の事象の間に法則性を見つけることで、実際に経験していないことでも、ある程度は予測できるようになる。
    2つ目についても、言葉や数といった抽象概念の発展がなければ、そもそも知識を蓄えたりコミュニケーションしたりすることが成り立たないため、きわめて重要な要素である。

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    「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問

    抽象化はWhy、具体化はHow


    具体が個別事象であるのに対して、抽象はそれらの関係性を表現するものである。
    この関係性のうち、原因と結果といった「因果関係」、あるいは「目的と手段」を関係づけるのはいずれもWhy、つまり「なぜ?」という疑問符で表せる。
    よって抽象化とは、「Whyを問うこと」と言い換えられる。

    抽象化とは、メタ視点で考えることでもある。これは問題を解く前に、問題そのものについて考えること、「(より上の視点から)そもそも〇〇について」考えることを意味している。「全体を俯瞰すること」と言ってもいい。
    抽象の世界は、「見える人にしか見えない」という特徴がある。抽象の世界が見えている人は、具体の世界も見ることができるが、具体の世界しか見えない人は、抽象の世界は見えない。
    一方で、具体化のための疑問符の代表がHowだ。ここでいう具体化とは、「数字と固有名詞にする」ことを指す。典型的なのは業務目標だ。
    今期の目標として「〇〇の徹底」「〇〇の強化」といった抽象的な目標では、いくらでも逃げ道ができてしまう。そうしたことを避けて確実なアクションを引き起こすためには、数字と固有名詞で具体化する必要がある。

    具体⇄抽象ピラミッドの活用


    問題解決は、大きく2つに分けられる。すなわち「そもそも問題は何なのか?」という前半の問題発見と、「その問題をどうやって解決するのか?」という後半の(狭義の)問題解決である。
    このうち問題発見に必要なのは、さまざまな具体的事象から本質的な課題を抽象化して抽出することだ。一方で問題解決にあたっては具体化が重要になるため、方向性が180度異なっている。
    たとえば、新しい世代の製品や組織を生み出す際に必要なのは、「そもそもなぜそれが必要か?」というWhyである。逆に、一度定義された問題を具体的な製品やサービスに落とし込んでいくときは、Howを問うことで具体化していく。

    問題解決においては、具体と抽象の間の「縦の移動」があるものとないものがある。縦の移動、つまり「具体→抽象→具体」というのが、典型的な抽象化と具体化を組み合わせた問題解決だ。
    これは表面的な問題だけでなく、根本的かつ本質的な問題にたどり着くことができる考え方である。
    これに対して、「具体→具体」という横方向だけの問題解決は、言われた通りに何も考えず、「そのまま対応する」というパターンである。
    顧客から「値段が高い」と言われたから値下げをする、前例があるからその通りにやる、あるいは過去の自分の成功体験を周囲に押しつけるといった言動も、これに相当する。
    仕事を取り巻く環境が安定している場合は、横方向だけの問題解決は決して悪くない。
    しかしAIやロボットが人間のやっていることを次々と代替していくような変革期においては、具体的な事象を抽象化し、応用を利かしていく縦移動の問題解決が不可欠である。

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    「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問

    コミュニケーションギャップの原因


    私たちは日常的に、さまざまなコミュニケーションギャップと遭遇する。
    その根本原因は、私たち一人ひとりの経験や知識、あるいは思考回路が異なることによって、「違うものを見ている」ことに気づいていないからだ。先に述べたように、具体の世界しか見えない人には、抽象の世界は見えない。
    また、「総論賛成各論反対」というギャップは、抽象的な総論では異論はないが、いざ自分に関わる具体的なレベルに話が降りてくると、各自の利害が反映されて意見が分かれるということである。
    たとえば、「税金の無駄遣いはやめよう」という方針に反対する人はいないが、削減される予算が自分に関係することになった途端、「それは話がおかしい」ということになる。
    抽象とは、ある意味「話を都合の良いように切り取ること」でもあるのだ。
    企業でよく言われる、「本社は現場も知らずに理屈ばかり言ってくる」といった、本社と現場のコミュニケーションギャップも、同じように抽象と具体の構造から生じている。

    さらにコミュニケーションギャップの原因を探ってみると、「他人」と「自分」のとらえ方に、具体と抽象のレベルでバイアスがあることが挙げられる。
    抽象化の典型が、「レッテル貼り」だ。これは他人を「守旧派」だとか「改革派」だとかいった形で、単純化して一括りにして扱うことを指す。
    他人には平気でレッテル貼りをするのに、自分がそれをされると不快に感じるのは、自分の詳細な具体は見えやすく、それゆえに特別な存在と感じられるからである。
    この「他人を抽象レベルで見る」と「自分を具体レベルで見る」という習性には、相当強いバイアスがかかっている。
    他者とのコミュニケーションにおいては、他人のことはなるべく具体的な事情まで考慮するようにして、自分のことはあまり特別視せずに引いた目で一般化してみるぐらいが、ちょうど良いのではないか。

    抽象化の応用として、アナロジーが挙げられる。アナロジーとは、日本語でいう「類推」のことだ。見た目の類似点ではなく、抽象化された特徴のレベルでの「目に見えない類似点」を探す。
    たとえば、「自動車の座席」と「年末に配られるカレンダー」の共通点は何だろうか?
    答えは、「実際にはあまり使われていない」というものである。このような共通点を見つけると、現状でも「実際に使われないものが大量に生産・消費されている」ことが見えてくる。
    重要なのは、それ自体の良し悪しを判断するというよりも、アナロジーによってそうした視点そのものを獲得できることだ。アナロジーから得られた視点は、さまざまな課題解決に応用できる。それが新しい価値創造につながるのだ。

    抽象化のトリセツ


    「言葉」は人類が生み出した、抽象化における最大のツールだ。しかし抽象化には、先に述べたように「話を都合の良いように切り取る」性質がある。
    そのため各自の抽象化の違いによって、コミュニケーションギャップを引き起こすことがある。同じ言葉でも、言っていることが違うというのが典型例だ。
    これを回避するには、「どういう条件の下で」「どのような目的で」といった前提条件を明確にする必要がある。
    そもそもそれはどういう状況で起こっているのか、それを語っている人はどんなことを狙ってその行動をとったのか、そのときにどんな制約条件があったのかといったことを、十分に確認しなければならない。
    それをしないまま行われる議論は、そもそも議論にすらなっていない。そのことを自覚すれば、世の中の無用な軋轢は減らせるだろう。

    抽象レベルで物事が見える人には問題に映っても、具体レベルでしか見えない人には何が問題なのか理解できないこともある。
    たとえば、気候変動が具体的な変化を生活にもたらしているとしても、「環境問題」となると、依然として抽象の世界のことになってしまう。
    「〇〇が人体や地球環境にとんでもない悪影響がある」と知ってしまった人は、それを1人でも多くの人に訴えたくて仕方がなくなる。
    だが、そういうことに「気づきたい人」には大きな声を出さなくてもすぐ届く一方で、そもそも「気づきたくない人」にとっては何の成果も出ないばかりか、「大きなお世話だ」と思われて、互いに不愉快になるのがオチである。
    気づいた人(意識が高い人)と、気づいていない人の関係は常にそうなってしまう。
    他方で、抽象化が得意な人には、「人の話が聞けない」傾向がある。共通点に着目して、「すべて同じ」と収斂をしていく抽象の世界と、相違点に着目して「すべて違う」と拡散していく具体の世界の違いが、こうした傾向を生み出している。
    抽象レベルで物事をとらえている人にとって、日常のさまざまな話はすべて「どこかで聞いた話」になってくる。
    たとえば、サッカーの話と演劇の話と職場の人間関係の話が「すべて同じ構造」だと見抜いてしまうと、「またあの話か」となってしまう。だから同じ話を延々と聞かされている気分になり、とてもすべてを聞いていられなくなる。
    このような理由から、抽象化能力の高い人は、周囲から「飽きっぽい」と見られることが多い。

    コミュニケーションギャップが生じるかどうかは、それぞれが具体と抽象という視点を持てるかどうかにかかっている。大切なのは、いま行われていることについて、具体と抽象の座標軸上でマッピングしていくことだ。
    これができれば、ほとんどの問題は解決したも同然である。問題とは、発見されたらほとんど解けたも同然だからだ。
    なかなか解決できないと思われている問題も、じつは「そもそも問題が何かよくわかっていなかった」という場合が多いのである。

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    「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問


    ★大好評ロングセラー『メタ思考トレーニング』の姉妹作、ついに登場!

    ★「具体と抽象(の往復)」。その思考回路を持つと、あなたの知的能力は劇的に進化する!


    「具体⇄抽象」とは、抽象化と具体化という形で具体と抽象を行き来する思考法のこと。 斬新な発想をできるようになるだけでなく、無用な軋轢やコミュニケーションギャップの解消にも役立ちます。
    そこで本書では、「抽象化と具体化の基本動作」から「仕事・日常生活における実践・応用の仕方」まで解説するとともに、トレーニング問題も多数用意しました。

    ●問題:「目覚まし時計」「懐中電灯」「旅行代理店」「カメラ」「お金」の共通点は?
    ●問題:「自動車の座席」と「年末に配られるカレンダー」の共通点は?
    ●問題:「理系」と「文系」の違いは何でしょうか?
    ●問題:「成功」の反意語は何でしょうか?
    ●問題:「現象と理論」「一般論と例外」「チャーハンと中華料理」「物々交換と貨幣取引」……どちらが具体で、どちらが抽象でしょうか?

    こうした問題を解くうちに「具体⇄抽象」の思考回路が身につき、「自分の頭で考える力」が飛躍的にアップする一冊!


    【本書の構成】
    第1章:なぜ具体と抽象が重要なのか?
    第2章:具体と抽象とは何か?
    第3章:抽象化とは?
    第4章:具体化とは?
    第5章: 「具体⇄抽象ピラミッド」で世界を眺める
    第6章:言葉とアナロジーへの応用
    第7章:具体と抽象の使用上の注意

    【以下、本書「第1章」より抜粋】
    皆さんは以下のような場面に遭遇したことはないでしょうか?

    ・言うことがころころ変わる上司や顧客にいらだつ
    ・SNS上の不毛な対立に悩まされる
    ・「言葉の定義の違い」によるコミュニケーションギャップを感じる

    これらは全て、本書のテーマである「具体と抽象」の視点の欠如が重要な要因となっています。これらがどのようなメカニズムで発生し、どのように世の中を見ればこうしたストレスを減らすことができるのか(なくすことは不可能ですが)を、本書では解説していきます。

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    「逆・タイムマシン経営論」とは何か


    「逆・タイムマシン経営論」とは一体何だろうか?
    それを語るには、まず「タイムマシン経営」という言葉の説明が必要だ。
    タイムマシン経営は、既に「未来」を実現している国や地域(例えば米国のシリコンバレー)に注目し、そこで萌芽している技術や経営手法を持ってくることによって利ザヤを得るという戦略である。実践者としてはソフトバンクグループの孫正義会長が有名だ。
    「逆・タイムマシン経営論」はこの論理を反転させる考え方だ。
    過去に遡り、その時点でどのような情報や言説がどのように受け止められ、どのような思考と行動を引き起こしたのか。
    近過去を振り返って吟味すれば、本質を見抜くセンスと大局観が養われるというのが、本手法の眼目である。

    本書は、誰かが考察を書き加えた歴史書ではなく、高度経済成長期前後から2010年代までの「近過去」の時代に作成されたメディアの言説に焦点を絞っている。「近過去」の記事は、そのまま「一次史料」として考察できるためだ。
    未来予測はどうやっても不確かなものだが、過去は既に確定した事実である。つまり、歴史はそれ自体「ファクトフル」なものなのだ。
    大事なのは、一つひとつのファクトが「豊かな文脈」を持っていることである。特定のファクトが生起した背景や状況といった文脈を理解し、それを自身のビジネスの文脈の中に位置づけて考える必要がある。
    本書で繰り返し強調されるこの「文脈思考」こそが、ファクトから実践知を引き出す上で決定的に重要な思考法である。
    この思考法を持っていなければ、膨大な断片的情報から本質を引き出すことはできないし、すぐに「同時代性の罠」に流されてしまうことだろう。
    「同時代性の罠」とは、その時代特有のステレオタイプ的な見方に偏った思考やバイアスのことだ。これは現実の仕事においてしばしば意思決定を狂わせる。
    同時代性の罠は、「飛び道具トラップ」「激動期トラップ」「遠近歪曲トラップ」の3つのタイプに分けられる。それぞれについて紹介していこう。

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    逆・タイムマシン経営論 近過去の歴史に学ぶ

    「サブスク」に潜む罠


    いつの時代も「最先端」の「ベストプラクティス」や「ビジネスモデル」が多くのメディアを賑わせている。旬のツールや手法を取り入れれば、たちどころに問題が解決し、うまくいくと思い込んでしまう。
    これが同時代性の罠の最たる例である「飛び道具トラップ」だ。
    まずは、近年話題を振りまいている「サブスクリプション」について取り上げる。
    新しい経営施策やツールが飛び道具として注目を集めるようになる背後には、決まって華々しい成功事例があるものだ。
    サブスクリプションの場合、米アドビ社の戦略転換の成功がそのひとつといえる。
    2008年頃のアドビは、PhotoshopやIllustratorといったデザインツールをパッケージ化し、売り切り型ビジネスモデルを採用していた。しかし、価格が高いという理由により、新規ユーザーの獲得という点で課題を抱えていた。
    これが影響したことで、業績は安定していたのにもかかわらず、株価は横ばいをたどっていた。この停滞状況を打破するために、経営陣は大きな決断を下す。それが、2013年に実行されたサブスクリプションへの全面移行だ。
    それまで海賊版や他社製品を利用していた人たちの新たな需要獲得に繋がり、経営を再成長の軌道に乗せた企業として資本市場からも大きく評価された。
    アドビの成功事例は大きく注目され、「サブスクは成長と収益拡大を同時に実現するビジネスモデル」だという言説が、同時代の空気として定着した。
    しかしその一方で、AOKIホールディングスの「suitsbox(スーツボックス)」のように、わずか半年でサブスクから撤退する事業も出てきているのが現実だ。成功の明暗を分けたものとは何なのだろうか?
    それを知るには、飛び道具トラップのメカニズムを理解する必要がある。

    飛び道具トラップが発動するメカニズムは次のとおりである。
    まず、その時点で広く共有されている「同時代の空気」が土壌となる。同時代の空気とは、技術革新や環境の変化を反映したものだ。「サブスクトラップ」であれば、ネット決済が簡便化したことなどが挙げられる。
    そして、この「飛び道具」は具体的な成功事例とセットになることで広く知れ渡るようになる。これを横から煽るのが飛び道具サプライヤー、すなわち飛び道具を提供するベンダーや、それを喧伝、強調するメディアたちだ。
    そこから「業界を一変!」「乗り遅れるな!」などの「同時代のノイズ」が発生し、あたかもそのツールが即時効果をもたらす魔法の杖であるかのように認識されるようになる。これにより、過大評価された「飛び道具」として確立する。
    しかし、多くの人々は成功事例の論理文脈を正しく理解せず、飛び道具単体に注目する。すなわち、成功事例からの「文脈剥離」が起きるのだ。
    さらに、自社の経営戦略という文脈をも無視して飛び道具を無理やり移植しようとしてしまう。つまり、ツールの導入自体を目的としてしまう「手段の目的化」が発生するのだ。
    最終的には、肝心の自社戦略や経営の一貫性が破壊され、かえって業績低下の憂き目に遭う。
    この飛び道具トラップを回避するには、自社の戦略ストーリーを固めることが先決だ。その上で、飛び道具の事例文脈を理解し、その本質をつかまえる。そしてそれを自社の戦略ストーリーの文脈に当てはめ、自社に導入すべきか判断する。
    アドビの例に話を戻そう。アドビの提供するデザインツールは、ユーザーの業務にとって不可欠のツールでありインフラであるため、そう簡単には「卒業」不可能だ。使い続けるほどに熟練度と親しみが増し、それはユーザーにとっての価値増大に繋がる。
    ユーザーにとって極めて粘着性の高いプロダクトとサブスクという形態が上手くフィットしたため、成功に繋がったのだ。


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    逆・タイムマシン経営論 近過去の歴史に学ぶ

    「激動期トラップ」


    その時点で生まれた新しい技術や商品・サービス、環境変化を過剰に受け止めて、一気に全てが変わると思い込む。これが、同時代性の罠の2つ目「激動期トラップ」だ。
    短期間で世の中に「激動」がもたらされると思い込んでしまうのは、同時代の空気によって新しい技術・サービスばかりに目が向き、技術を使う側にいる人間の本性についての理解や洞察が疎かになるためだ。
    新しい技術が過去の技術を破壊し、代替することはあっても、それを利用する人間は常に過去から未来への連続した時間の流れの中に生きている。革新的な技術が急に現れたとしても、それを使う人間は同じように一気に変わることはできない。
    2000年代半ば、「インターネットによるビジネスの革命」をテーマにしたEUの国際会議が行われた。
    当時、日本と同様にEUもビジネスにおけるインターネットの利用が米国より遅れているとしきりにいわれていたが、当事者である欧州の人々は興味深い反応を返した。「すぐにインターネットが普及するほど、欧州の文化は浅くない」というのだ。
    破壊しなくてはならない過去が希薄なほど「革命」は起こりやすいのである。
    インターネットのような技術的に非連続なインフラが出現すると、人間の連続性との間に大きなギャップが生じる。その結果人間の側に生まれる「不慣れ」「不安」「不要」という反応が、技術普及のボトルネックとなるのだ。

    激動期トラップの一例として「テンゼロ論」を取り上げたい。
    2010年頃から出始めた、「〇〇2.0」のように時代をいくつかのフェーズに区切ったような言説だ。ここでは「インダストリー4.0」に焦点を当てて紹介する。
    インダストリー4.0は2011年にドイツが提唱した政策構想で、「大企業だけでなく中小企業も含めて国全体をひとつの『スマートファクトリー』にする」という内容だ。
    国や地域全体がデジタルネットワークでつながったオープンな生態系として丸ごと連動するのであれば、たしかに質的な変化である。しかし、それが容易ではないことを示す2つの理由があげられる。
    1つは、「部分最適化の集大成」ともいえる企業別、工場別の製造システムをシームレスに繋げることは極めて難しいという事実である。
    もう1つは、オープンでシームレスな繋がりを個別企業が歓迎しないということだ。独自性や競争力が高い企業ほど「部分最適化」の度合いは強い。競争力を失いかねない「スマートファクトリー」はある意味で「迷惑な話」なのだ。
    実際、ドイツ政府が設定した計画は遅々として進まず、日本でもブームは沈静化している。

    「遠近歪曲トラップ」とは


    同時代性の罠の3つ目は「遠近歪曲トラップ」だ。
    これは、「遠いものほど良く見え、近いものほど粗が目立つ」という認識のバイアスだ。遠近歪曲トラップは、空間軸と時間軸のいずれでも発動する。まずは、空間軸の一例である「シリコンバレー礼賛」を見ていこう。
    この四半世紀、日本では繰り返し「シリコンバレーブーム」が起きている。2010年代半ばにもなると、「シリコンバレーはすごい」「それなのに日本は……」「だから日本はだめなんだ」という流れが議論のテンプレートになってきた。
    しかしこれは、良いところばかりを見ているに過ぎない。
    1995年当時、ネットスケープ・コミュニケーションズを筆頭としたインターネット関連の企業群がメディアを賑わせた。しかし、買収や破産などによって、これらの企業の大半はいまではすっかり忘れられた存在となっている。
    新しい血液検査技術の開発で注目を浴び、気鋭の「シリコンバレー発のテックベンチャー」と呼ばれたセラノスという企業は知っているだろうか。
    セラノスは多くの投資家から3億ドルを超える資金調達を実現し、世間から期待されていた。しかし、大々的に発表していた技術がまったくの虚偽であったことが発覚し、経営破綻に至った。
    シリコンバレーにも問題のある企業や経営が散在している。しかし、シリコンバレーという特異な生態系全体の文脈を理解せず、その時々で注目を集める技術やベンチャー企業などにばかり目を向けるから、遠近歪曲が起きてしまうのだ。

    同様の遠近歪曲トラップは、時間軸上でもしばしば起こる。つまり、「昔のことほど良く見え、現在進行中のことは深刻に見える」バイアスだ。「人口問題」はこの典型といえる。
    現代ではあらゆる社会的、経済的問題が人口減少と関連づけて論じられ、「人口減少=諸悪の根源」と見られている。しかし、長期視点で歴史を振り返れば、「人口増が諸悪の根源」と言われていた期間の方がはるかに長い。
    たとえば、1920年代は日本からの移民の最盛期であった。当時農業を主業としていた日本人にとって、人口増は食糧難という問題に直結していた。これを解決するため、ブラジルなどへ「生きるためのグローバル化」として移住していたのだ。
    1960年代も依然として「人口増が諸悪の根源」であった。その典型が「住宅難」だ。田園都市や多摩丘陵などにニュータウンを急ピッチで設けることで、増加する人口を受け入れる対策が取られた。この動きは1980年ごろまで続く。
    明治時代から約100年間、日本では一貫して人口増加が問題視されてきたのだ。しかし、人口減少の兆しが出てくると、一変して「人口減少は諸悪の根源」と言い始める。
    過去の悪いことは視界から消え、あたかも問題がなかったかのように思い込む。人口は増えても問題、減っても問題。これこそ、遠近歪曲トラップの最たるものだ。

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    逆・タイムマシン経営論 近過去の歴史に学ぶ

    「飛び道具トラップ」「激動期トラップ」「遠近歪曲トラップ」
    経営を惑わす3つの「同時代性の罠」を回避せよ!
    近過去の歴史を検証すれば、変わらない本質が浮かび上がる。
    戦略思考と経営センスを磨く、「古くて新しい方法論」。
    「ストーリーとしての競争戦略」の著者らの最新作!

    これまで多くの企業が、日本より先を行く米国などのビジネスモデルを輸入する
    「 タイムマシン経営 」に活路を見いだしてきた。
    だが、それで経営の本質を磨き、本当に強い企業になれるのだろうか。
    むしろ、大切なのは技術革新への対応など過去の経営判断を振り返り、
    今の経営に生かす「 逆・タイムマシン経営 」だ。

    そんな問題意識から、日本を代表する競争戦略研究の第一人者、
    一橋ビジネススクールの楠木建教授と、社史研究家の杉浦泰氏が手を組んだ。
    経営判断を惑わす様々な罠(わな=トラップ)はどこに潜んでいるのか。
    様々な企業の経営判断を当時のメディアの流布していた言説などと共に分析することで、
    世間の風潮に流されない本物の価値判断力を養う教科書「逆・タイムマシン経営論」を提供する。

    経営判断を惑わす罠には、AIやIoT(モノのインターネット)といった
    「 飛び道具トラップ 」、今こそ社会が激変する時代だという「 激動期トラップ 」、
    遠い世界が良く見え、自分がいる近くの世界が悪く見える「 遠近歪曲トラップ 」の3つがある。
    こうした「 同時代性の罠 」に陥らないために、何が大事なのか──。
    近過去の歴史を検証し、「新しい経営知」を得るための方法論を提示する。

    <目次(抜粋)>

    第1部   飛び道具トラップ

    第1章   「サブスク」に見る同時代性の罠
    第2章   秘密兵器と期待された「ERP」
    第3章   「SIS」の光と影
    第4章   「飛び道具サプライヤー」の心理と論理
    第5章   「飛び道具トラップ」のメカニズム

    第2部   激動期トラップ

    第6章   「大きな変化」ほどゆっくり進む
    第7章   技術の非連続性と人間の連続性
    第8章   忘れられた「革新的製品」
    第9章   激動を錯覚させる「テンゼロ論」
    第10章   ビジネスに「革命」はない

    第3部   遠近歪曲トラップ

    第11章   「シリコンバレー礼賛」に見る遠近歪曲
    第12章   半世紀にわたって「崩壊」を続ける「日本的経営」
    第13章   人口は増えても減っても「諸悪の根源」
    第14章   海外スターCEOの評価に見る遠近歪曲
    第15章   「日本企業」という幻想

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    家庭でできる「モンテッソーリ教育」


    子どもは大人と対等な存在であり、人格を持った一人の人間だ。
    それゆえに、子育てにおいて何よりもまず大切なことは、「子どもを尊重して信じる」ことである。
    子どもはみな「自ら育つ力」を持ち、誰に何を言われなくとも、自らを創っていくことができる。子どもの育ちには、子どもの持つ力を無条件に信じる、大人のサポートが欠かせない。
    モンテッソーリ教育は、子どもを尊重して信じることを基盤に作り上げられた教育方法だ。子どもの生きる力を育てることができるだけでなく、相手を尊重するかかわりを意識することによって、子育てをする大人自身も大きく成長することができる。
    子どもは、2つの「じりつ」に向けて自らを発達させていく。自分のことを自分でできるようになる「自立」と、自分を律することができるようになる「自律」だ。
    特に、0~6歳の乳幼児期は、自分という個をつくる、人生において大切な時期だ。この期間、子どもは発達をあきらめたり、嫌がったりすることなく、自らを発達させることに必死である。
    0~3歳の時期は、「無意識」の時期とされ、意識的に何かをするよりも、自らの衝動に従ってエネルギーのままに動くことが多い。
    3~6歳の「意識」の時期になると、「自分がどうしたいのか」という目的をもって物事を選択し、意識的に取り組む姿が見られるようになる。
    0〜6歳の幼少期といっても、前半と後半で発達段階が異なる。子どもと接するときには、その子が今どの段階にいるかを考えてみよう。

    モンテッソーリ教育の4つのポイント


    モンテッソーリ教育は、園や学校に限らず、家庭でも取り入れることができる。その際には4つのポイントを意識したい。
    まずは、「環境を整える」こと。モンテッソーリ教育では、子どもの「今やりたい」気持ちを叶えられる環境を用意する。
    やりたい気持ちがあっても環境が整っていないと、子どもはエネルギーが発揮できず、不満足に終わってしまう。例えば、ティッシュを何度も引っ張る子どもには、繰り返し「引っ張る」動作を経験できる活動を用意する。
    このように「環境」を通してサポートすることで、大人が直接子どもに教えるという一方的な構図ではなく、大人は間接的に子どもの育ちを助けることにつながる。
    子どもをサポートするためには、「子どもを観察する」ことが欠かせない。「もっとこれをやってほしい」という大人の願いや先入観を排除して、その子の興味にまなざしを向ける。
    どんなサポートをしたらその子の育ちが助けられるのか、前向きに考えてみよう。
    子どもに何かを伝えるときに「大人がやって見せる」ということもポイントだ。子どもはまだ抽象的に考えることができないため、やって見せる際にはいつものペースより7~8倍ゆっくりやってみせてあげよう。
    そして最後のポイントは、「見守る」ことだ。子どもが間違えたり、失敗しそうになったりするとき、経験のある大人は手出し、口出しをしたくなるものだ。
    しかし、子どもにとっての成長とは、「できるように大人にやってもらう」ことではなく、「子どもが自分でできるようになること」である。
    このためにも、子どもが自分で間違いに気づく瞬間を「待つ」かかわりが必要である。

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    モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て

    子どもの心の扉を開く伝え方


    時間がないときや余裕がないとき、つい子どもに怒りをぶつけてしまい、後悔する親は少なくない。そんな親はけっして「ダメな親」ではない。
    大切なのは、怒ってしまって「当たり前、仕方ない」と済ませるのではなく、子どもの育ちを助ける作業において、自分に何ができるのかを見極める試行錯誤を忘れないことだ。
    その経験によって、親も一人の人間として成長することができる。毎日100点満点を目指すのではなく、1~2週間の長いスパンで見たときに、自分が納得できる状態にもっていくと捉えるとよい。
    毎日の支度や片付けで、子どもが自ら行動しない、声を掛けてもなかなか動かないというのはよくある悩みの一つだ。
    この時期を生きている子どもは、「今」目の前にあることにエネルギーを注ぐため、先を見据えて行動したい大人との間にギャップが生じやすい。大人同様、子どもにも都合がある。
    子どもを対等な立場の人間として尊重するためにも、命令や指示ではなく、お願い、依頼、提案をするような声掛けを心がけよう。大人でも、頭ごなしに言ってくる人よりも、思いやりを示してくれる人に好感を持ちやすいはずだ。
    子どもが相手であっても、「早くしなさい!」と命令するよりも、「もう家を出ないといけないから、靴履いてくれる?」と言ったほうが、受け入れてもらいやすい。
    また、4歳以降は、決定権を子どもに持たせるようにすると、自分で考えて行動する力につながる。
    「お風呂に入ろうと思うけど、あと何冊でおしまいにする?」など、子どもに決める主導権を渡すことで、子どもは満足し、決めたことに責任が持てるようになる。
    こうした時間制限のある場面に限らず、子どもが決めたのであれば、子どもの選んだものを尊重するようにしていくことで、子どもの「自己選択力」を育む助けになる。

    「イヤイヤ」に対応する


    2歳ごろになるとやってくるイヤイヤ期は、子どもが「お母さん」という存在から自分を分離させ、自立の一歩を踏み出す時期だ。親から見ると「反抗期」と呼ばれるこの時期、子どもはただ自立に向かいたいという一心なのだ。
    例えば公園から家に帰るときであれば、まず「イヤイヤ」が出る前に予防として、「もう少しで帰ろうね」と事前にアナウンスをしておこう。そうすることで、子どもは心の準備ができる。
    そして、「お散歩しながら帰ろう」などと、次の行動の楽しみを伝えると、子どもが行動を切り替える助けとなる。
    声を掛けるときは、指示ではなく、協力を求めお願いするようにしよう。それでも「イヤイヤ」が始まってしまったら、「帰りたくないね」「遊びたいもんね」と、子どもの言うことを繰り返しながら、子どもの思いを受け止めてあげたい。
    自分の気持ちをわかってほしい、という子どもの主張に対して、大人が共感の姿勢を見せることが重要だ。そのうえで、できないときはきっちりと線引きを行う。そして、時間が許す限り待つ。
    すると、子どもの心の折り合いがついて、落ち着くことがある。
    それでもダメなときは、「もう時間がないから抱っこするよ」と、意識的に子どもに一言断りを入れてから、抱きかかえて移動してしまおう。
    こうした経験を通じて、子どもの自制心は少しずつ育まれる。自制心は筋肉と同様、使わないと鍛えることができない。乳幼児期からの日々の積み重ねで獲得していく必要がある。

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    モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て

    「できる」が増えるかかわり方


    食事は生きていくために必要不可欠だ。
    栄養補給の面でだけでなく、大好きな人と一緒に食べる喜びや、味やにおいなどの五感を通じた心地よさを経験することは乳幼児期の子どもにとって重要なことだ。
    食事中は、「座って食べる」を徹底しよう。動きたくて仕方ない子どもが立って遊びだすときには、遊んでいる場所まで追いかけて食べさせたりしてはいけない。
    それでは、子どもは「座らなくても食べられる」と学習してしまう。
    「物を落としたい」というような子どもの欲求は、おもちゃや活動で満たしてあげた方が良い。食事をしているときにわざと子どもがものを落としているようなときは、大人の反応を楽しんでいる場合がある。
    シンプルに「拾おうね」と伝えるなどして、あまり反応しないようにしよう。
    子どもが自分でやりたがらないことをさせるのは一苦労だ。例えば、子どもが一人で着替えたがらないことの原因としては、大人がやってくれるものだと思っていることや、やり方がわからないことなどが考えられる。
    こうした場合、子どもが自分ですべてできなくとも、「参加できる」ようにすることがカギとなる。
    例えばズボンをはかせるときは、ある程度のところまで子どもの足を誘導したら、最後に足を裾から出す段階で、子どもに自分で足を出すように声を掛ける。
    できることを子どもに託す姿勢によって、子どもが着替えを「自分事」として捉えられるようになるのだ。

    子どもと約束するヒント


    子どもが約束を守れないのはなぜか。
    それは、乳幼児期の子どもは今を生きているからだ。年齢が低いと、過去や未来のことを意識できない。子どもが約束を守れるようになるにはいくつかのポイントがある。
    例えば買い物に行く際におやつを買わない約束をするとしよう。まず、スーパーに行く前と、スーパーに着いた直後にそれぞれ「おやつを買わない」ことを伝える。
    段階を経て確認することで、子どもは約束を過去のこととして忘れずに、その場でも思い出せるようになる。ぐずっても、約束は貫き通そう。
    そして、守れたらシンプルに「行動」を認めてあげよう。
    特に重要なのは、大人が約束を守る姿勢を普段から見せることだ。大人は「あとでね」「今度ね」と軽い約束を子どもにすることがある。
    子どもが約束を忘れていると「まぁいいか」となかったことにした経験がある人は少なくないだろう。しかし、たとえ子どもが忘れていたとしても、大人が率先して約束を遂行するようにする姿を見せることが重要だ。
    親子の信頼関係が育まれるだけでなく、「約束は守る」ということが少しずつ子どもの中で当たり前のものになっていく。

    叩いたり噛んだりするとき


    思い通りにいかないことがあったとき、叩いたり噛んだりすることがある。年齢が低い子どもは、言葉で伝えることが難しく、身体を使って表現しようとする。
    そんなときは、言葉だけではなく、まず身体を使って制止するようにしよう。そして、やってはいけないことを「叩かないよ」「噛まないよ」とシンプルに言葉で伝える。
    線引きをはっきりと示した後は、「このおもちゃで遊びたかったのよね」と子どもの気持ちを代弁する。そして、最後に、言葉を使った具体的な表現方法を伝えることが重要だ。
    「こんなときは『かして』って言おうね」など、子どもが話す部分を強調して伝えると子どもにとってわかりやすくなる。
    大人が怒ったり叱ったりしてしまうと、「怒られた」という印象が強く残り、本来伝えるべき「やってはいけないこと」や「具体的な表現方法」が子どもに伝わりにくくなってしまう。
    大人の焦りや心配はいったん切り離して、冷静に伝えるようにしたい。

    子どもの育ちに必要なのは、適切な環境としての「空間」、自分のモデルとなる「人間」、自分で何かを成し遂げるための十分な「時間」、そして大人の精神的なゆとりである「余白」だと著者はいう。
    子育ての悩みは、パートナーとの関係や寝不足、仕事などの子育てに関わる周辺の悩みと絡み合っていることが多い。
    こうしたなかで、心に「余白」を生むためには、何をしたら自分の心が落ち着いていられるのかを見つけなければならない。自分で自分の機嫌をとり、大人が心に「余白」を持っていられれば、子どもの育ちをポジティブにサポートしやすくなる。
    子どもにとっての幸せは、「自分らしさやペースが保障されていること」だ。大人がわが子を他の子と比べて、できないところばかりを伸ばそうとすると、今その子が求めていることが見えなくなることがある。
    しかし本来、子どもによって成長のペースは異なる。「あなたはあなたでいい」という無条件の愛や信頼が、子どもの個を作り上げるために重要だ。
    みんな違っていいという大人の姿勢が、子どもを安心させるのである。
    子どもへのかかわり方を変えたいと思ったときが、始めどきだ。大人自身が生きることを楽しみ、子どもに生きていくことの希望や楽しみを伝えていきたい。

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    モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て


    子どもに成長してほしい思いから、「はやくやりなさい」と叱ったり、あれこれ手出し口出しをすることはありませんか?

    「子どもは大人が育てているもの」と思われがちですが、実は子どもには「自ら育つ力」があります。
    大人はその「自ら育つ力」を信じ、子どもが自分で育っていこうとするのをサポートすることが大切なのです。
    そのヒントがモンテッソーリ教育にある―――。

    本書では、0~6歳までの子育てをする中で抱くことの多いお悩みや疑問を例に挙げ、ケースごとに、子どもの「今」の姿、子どもの「心」に焦点を当てて、適切な対応法をわかりやすく解説します。
    モンテッソーリ教育を子育ての場面でどのように落とし込めば良いのかが具体的にわかる1冊!
    読み終える頃には子どものことがよくわかり、「もっと子育てを楽しめそう」と感じてもらえるはずです。


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    ピッチは「相手に決断させる」もの


    ピッチとは、一言でいえば「相手の決断を引き出す提案方法」だ。
    スタートアップが優れたアイデアを持っていたとしても、提案のために与えられる時間はそれほど長くない。膨大な案件が持ち込まれる投資家にとっても、あらゆるタスクに少数精鋭で取り組むスタートアップにとっても、時間は貴重なものだ。
    限られた時間の中で、たとえ話を聞く用意のなかった人が相手であっても、口説き落とす。それが、スタートアップに求められるピッチなのだ。
    一般的なプレゼンテーションは、用意された場所で数十分~1時間程度をかけて、相手に検討材料を提示し、自らの提案が採択されることを目指す。
    プレゼンの対象者は決裁権を持っていない担当者であることが多々あり、時間をかけて判断してもらうことになる。
    それに対して、ピッチはわずか3〜5分程度の時間で、場所を問わず、決裁権を持つ人を対象に、その場での決断を引き出すものである。
    相手の予備知識や環境などの条件が整っていない中でも、その場で相手の決断を引き出すのがゴールであることがピッチの最大の特徴だ。
    相手や目的に合わせて重点を絞り、短い時間でも伝えて決める。このピッチのノウハウは「人を巻き込んでいく力」としてあらゆる場面で活用可能だ。

    価値を見極めるフレームワーク


    スタートアップの資金と事業を拡大させるためのノウハウや機会を提供し、成長を加速させようとする事業を手がけているオンラボのプログラムは、まず7項目のフレームワークを埋めることからスタートする。
    フレームワークの中身は事業の意義を確認するための「誰の」「課題を」「解決する」「なぜ今」、社会的な価値と創業者にとっての価値を見極めるための「既存代替品」「市場規模」「なぜあなた」だ。
    このフレームワークは本当の価値を見極めるチェックシートであると同時に、人を動かすための重要なツールでもある。
    まず考えなければならないのは、事業の意義に関連する項目だ。
    対象とするユーザー層を具体的に絞り込む「誰の」、そのユーザー層が抱える解決されるべき悩みを「課題を」、どんな方法を用いてどのくらい悩みを解消するかを「解決する」、課題の緊急性と今後の展望を「なぜ今」の欄に記入する。
    これらの項目はプロダクトの価値の「仮説」であり、検証することで事業の意義を確認することができる。

    そのうえで、ユーザー目線で自分たちのプロダクトの市場での競争力を検証する「既存代替品」、投資家目線でビジネスとして成立するかを判断する「市場規模」、他者と比べて優位になる個人やチームの特性や必然性を洗い出す「なぜあなた」の項目へと移っていく。
    困難が待ち受けていることの多いスタートアップは、チームの特性や個人的な体験から「自分がやる意味」を強く持っている方が「やりきる」ことができる。その意味で、「なぜあなた」は重要な項目だ。
    最初からこれらの項目に十分な答えを用意できているスタートアップはまずない。
    スタートアップに限らず、新しい取り組みを提案しようとするとき、うまく説明ができないことがあるのであれば、これらの7項目のどこかが埋まっていないのかもしれない。
    ひとつひとつの項目を結晶化できていれば、答えに窮することはないはずだ。
    調整が進まない、うまく説得ができないというときは、ぜひこのフレームワークを活用して、どこが足りないのか、どこが結晶化されていないのかをチェックしてみよう。


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    「よい物を作れば売れる」は真理でない


    誰でも最初から人を動かせるピッチができるわけではない。しかし、正しい準備をすれば、誰でもピッチで人を動かすことができる。
    オンラボでは、事実確認ができていない前提を含むアイデアをすべて「仮説」ととらえている。たとえば、「よい物を作れば、売れる」という言葉は、オンラボにとって真理ではない。
    なぜなら、「〈必要としている人がいて〉〈彼らが適切と感じる価格で〉〈代替品よりも〉〈必要とする理由に応える〉よい製品を作れば、〈まさに必要とされる時期に〉〈その魅力が伝えられれば〉売れる」というように、「前提条件」が欠けているからだ。
    スタートアップにとって、自分たちのアイデアを「仮説」ととらえ直し、それが成立するための「前提条件」を洗い出し、実証することは極めて重要だ。事業を成功させるためのほぼ唯一の方法であり、失敗のリスクを最小化するものでもある。

    アイデアを7項目のフレームワークに描くことは、アイデアの前提条件を洗い出すことにあたる。オンラボでは、7つの要素のうち、とくに重要な項目について、ペアを作ってお互いの適性を検証する「フィット検証」を用いる。
    フィット検証では、重要な順に4段階で仮説を検討していく。
    第一段階では、「ユーザー/課題」フィット検証で、「誰の」「課題を」で想定した「課題を抱える人たち」が実在するのかを検証する。
    まず、「誰」について具体的なペルソナを描く。それを現実の世界で見つけ出してインタビューを行うのである。もしこのときインタビューすべき人が見つからなかった場合、「マーケットニーズがない」という可能性も考慮しなければならない。
    インタビューを通してアイデアをブラッシュアップできるよう、質問はあらかじめ練っておこう。そして、結果の分析から自分たちの仮説を評価していく。
    「課題/解決策」フィット検証では、「解決策」が、課題を抱える人たちを満足させられるものであるかを検証する。
    この検証でも、インタビューを用い、相手に自分たちの解決策を理解し、評価してもらう、課題の「解消度」と、実現したいことを実現できそうかという「満足度」の両方が高くなることが理想だ。
    「解決策/プロダクト」フィット検証では、実際に開発したプロダクトで、予想通りに問題を解決できるかを検証する。
    たとえば、「小児科オンライン」というサービスは、夜間の病院が軽症の子ども連れで溢れ返ることに問題意識を持った小児科医が考えた、テレビ電話での医療相談サービスだ。
    これで気軽に家にいながら相談できるようになるかに思えたが、テレビ電話を使い慣れていない親御さんからの反応は「自分には利用が難しい」というものだった。

    相談を通して安心感を与えることが目的ならば、メールやLINE、写真でも良い。手段を見直してから改めてユーザーインタビューを行うと、ほとんどの親御さんから好感触が返ってきた。
    最後に、プロダクトを世に送り出し、想定どおりに事業が成長していくかを検証する「プロダクト/市場」フィット検証を行う。
    事業を成長させるためには、ユーザーを継続的に増やしていかなければならない。新しいユーザーにプロダクトを知ってもらう「きっかけ」をたくさんつくる必要がある。
    広告、口コミ、ネット検索、他のユーザーの利用など「きっかけ」の頻度と効果を高めるために、仮説を立て、検証していく。
    アイデアの検証は葛藤の連続だ。それでも諦めなければ、あなたの言葉が人を動かすのである。


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    ピッチの「正しい」準備


    ピッチの準備に重要なのが、Context(コンテクスト)、Design(デザイン)、Delivery(デリバリー)の3つのポイントだ。
    ここでのコンテクストとは、人が何かに価値を感じる物事の見方のことを指す。価値観は人それぞれ違う。ピッチで重視すべき価値は、ピッチする側の価値ではなく、聞く側にとっての価値だ。
    ピッチでは、相手を決断に導く流れを「設計する」という考え方が重要だ。
    スライドなどの見た目を整えることだけがデザインではない。相手を決断に導くために、全体の流れや構成を設計することこそが、デザインなのである。
    デリバリーとは、相手にメッセージを「確実に届ける」ことである。情報の提示方法はもちろん、振る舞いや衣装など、利用できるものはなんでも活用して、相手の決断を能動的に演出する意識を持つ必要がある。

    フィット検証を通じて、7項目のフレームワークを磨き上げたら、次はいよいよ聞き手の心を動かすためのピッチの準備へと移る。本書のピッチメソッドでは、次の6つのステップを踏んでアイデアを具体化し、価値を結晶化させていく。

    (1)必要な要素を洗い出す


    相手に決断させるためには、相手、多くの場合は投資家の視点で何が必要かを判断しなければならない。もっとも重要なのは「経済的価値」で見た「成長性」を確認させることだ。相手の視点から、決断に必要な要素を洗い出そう。


    (2)プロットを組み立てる


    必要な視点を洗い出すことができたら、それらの要素ひとつひとつを一言で言い表せる表現を考え、相手を決断に導くためにもっとも効果的な並び順を考える。流れをひとつの文章として、読んだり書き出したりして、もっとも自然かつ劇的に感じられる流れを探そう。


    (3)ストーリーを設計する


    プロットが出来上がったら、その効果を最大化するために、ストーリーを設計する。データ、イメージ、エピソードでプロットを演出し、決断に向かう相手の意識の流れをつくるのだ。


    (4)スクリプトを用意する


    ストーリーの組み立てが終わったら、実際に話す台詞をスクリプト(台本)の形にする。台本を作ると、全体の時間配分が検討しやすくなり、内容の取捨選択ができるようになる。また、スクリプトがあればうまくいったときといかなかったときの比較がしやすくなり、効率的に推敲することができる。


    (5)スライド資料を作成する


    スクリプトが完成して初めて、スライド資料の作成へと入る。スライドは重要な道具だが、単体では人を動かすことはできない。まずはラフを作成し、その段階でピッチの効果を検証する。そして内容を調整してから、スライドのデザインへと移っていく。


    (6)実演し、効果を高める


    最後はピッチを自分のものにするべく、何度も練習して、ピッチの効果を検証し、課題があれば必要な前のステップに戻って対処する。
    自分が伝えたい価値が表現できているか、相手に伝わっているか、それに相手が価値を感じるか。これらの項目を検証しながら、実演してピッチの効果を高めていこう。
    実際のピッチでは、「この人の言葉なら信頼できる」という誠実さ、「この人ならやりとげるだろう」という自信を感じさせる話し方や振る舞いにも気をつけなければならない。

    人の心を動かすために


    ピッチの成功は、どれだけ自分の取り組みの価値を磨き、相手の立場から見直すことができたかにかかっている。
    それらは、自分を信頼してもらうこと、未来へ期待してもらうことにつながり、相手の決断を左右するからだ。
    本書のピッチのメソッドは、スタートアップが投資家の決断を引き出すために生まれ、年月をかけて練り上げられてきたものだ。
    スタートアップだけに通じるように見える部分があったかもしれないが、ピッチに欠かせない、自分たちの取り組みの中に相手にとっての価値を見出し、客観的な検証を行う視点は、あなたが新しい取り組みをしようとするときにもきっと役立つはずだ。
    あなたの言葉があなたにとって必要な人の心を動かすために、このメソッドを思い出してほしい。

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    Pitch ピッチ 世界を変える提案のメソッド

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    ■最短で相手の決断を引き出す「Pitch(ピッチ)」の作り方
    シリコンバレーではじまった、
    スタートアップが多忙な投資家から資金提供を受けるために
    短時間で行うプレゼン、それが「ピッチ」です。
    従来のプレゼンとは異なり、
    相手の予備知識や環境などの条件が整っていない中でも、
    「その場で相手の決断を引き出す」ことをゴールとしています。
    本書は、日本初のスタートアップ・アクセラレーターである
    Open Network Lab(オープンネットワークラボ:オンラボ)が、
    日本のスタートアップを支援する中で、
    積み重ねてきたピッチのノウハウを紹介しています。

    ■ビジネス創出のメソッドを一冊に凝縮
    投資家の決断を引き出す説得力あるピッチを作るには、
    前提として「誰のために」「どんなビジネスを」「どうやって」
    作るのかといった、ビジネスの結晶化が欠かせません。
    これまで多くのスタートアップを支援し育ててきた
    オンラボ独自の、ビジネス創出のメソッドを丁寧に解説しています。

    〈本書の章立て〉
    第1章 ピッチとは何か?
    第2章 スタートアップがピッチで「人を動かした」事例
    第3章 ピッチで人を動かすために/アイデアの具体化
    第4章 ピッチの組み立て方
    第5章 オンラボ卒業生インタビュー
    第6章 未来を切り拓くピッチ

    〈本書はこんな人におすすめです〉
    ・起業家を志す人、学生
    ・企業の新規事業担当者


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