今年こそ「やりたいこと探しの旅」を終わらせよう


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やりたいこと探しを妨げる5つの迷信


著者の「自己理解メソッド」の説明をする前に、やりたいこと探しをする際に陥りがちな5つの間違いを取り除いておきたい。
最初の間違いは、やりたいことは「『一生続けられること』でなければいけない」と考えることだ。
多くの人が100歳まで生きると言われ、社会の変化のスピードが上がっている中、一つのことに一生固執するのはむしろ危険だ。
やりたいことは「今一番やりたいこと」でよいのだ。
次の間違いは、「やりたいことを見つけた時には『運命的な感覚』がある」というものだ。やりたいことは試行錯誤して育てていくものであって、天から与えられるようなものではない。
やりたいことを見つけても最初は興味レベルなのだと知っておこう。
3つ目の間違いは、「『人のためになること』でないといけない」ということだ。自分を殺して人のために頑張ろうとするのは、単なる自己犠牲である。
自分のやりたいことを続けていけば、それが結果として人のためにもなるのだ。
4つ目の間違いは、「見つけるには『たくさん行動する』しかない」ということである。やりたいことがわからないのは、多すぎる選択肢から選ぶ力がないということだ。
そこに選択肢をさらに増やすような行動をしても、余計に混乱してしまう。やりたいことを見つけるには、自己理解するしかないのだ。
最後の間違いは「やりたいことが『仕事』にならない」という考えだ。やりたいことの実現手段は、やりたいことを探している段階で考える必要はない。
やりたいことは自分の中にあるものだが、実現手段は自分の外側、社会の中にあふれている。実現手段を考えるのは、もっと先の話だ。
この5つの誤解が解けたならば、次はいよいよやりたいこと探しだ。

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世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド

好きなこと×得意なこと=やりたいこと


著者が提唱する「自己理解メソッド」は、「好きなこと」「得意なこと」「大事なこと」の3つを重要な柱としてすえている。
著者の定義する「やりたいこと」とは、「『好きなこと』を『得意なやり方でやる』こと」だ。「好きなこと」とは、自分が興味を持っていて、もっと知りたいと感じる、情熱がある分野のことを指す。
また、ここでいう「得意なこと」とは、自然と人よりもうまくできてしまう「才能」のことだ。これは、英語やプログラミングなど、後天的に習得できる「スキル・技術」のことではない。
たとえば、「リスクを考えられる」「人の気持ちを考えられる」といった、自分にとっては自然にできるようなことで、どんな仕事でも使えるのが「才能」であり「得意なこと」だ。
「やりたいこと」は、「What(何を)=好きなこと」×「How(どのように)=得意なこと」の組み合わせだ。よく、「好きなことを仕事にしたほうがよい」と言われることがあるが、好きなことだけを基準に仕事を決めるのは危険である。
たとえば、本(What)が好きだからといって、本屋の仕事(How)が好きだとは限らない。「やりたいこと」を考える時は、具体的な仕事内容も自分にあっているかを見極めなければならない。
著者の場合は「自己理解」が好きなことであり、「体系立てて伝える」のが得意なことだ。だから著者のやりたいことは「自己理解を体系立てて伝える」ことになる。これが本書のやりたいことの定義だ。

「やりたいこと」に「大事なこと」をかけ合わせると、一段上の「本当にやりたいこと」になる。ここでの「大事なこと」とは、働き方を決める上で最も重要になる、「価値観」のことだ。
「自由に生きたい」「人に優しく生きたい」といったことがこれにあたる。「やりたいこと」で示した「行動」だけでなく、価値観といった「状態」も合わさって初めて、「本当にやりたいこと」になるのだ。
「なぜ仕事をするのか?」(Why)と聞かれた時に、「大事なこと」が答えになる。著者であったら、「人生に夢中になりたいし、なってほしい」からだと答える。
3要素を組み合わせると、「人生に夢中になってほしいから、自己理解を体系立てて人に伝える」のが著者の本当にやりたいことだ。
これらの3つの要素を明確にしておけば、就職・転職活動でも何を軸に考えればよいかわかりやすくなり、面接でも根拠を持って受け答えできるようになる。
「なぜこの業界なのか?」には「好きなこと」、「どうやってこの仕事で成果を出すのか?」には「得意なこと」、「なぜこの会社なのか?」には「大事なこと」で答えることができる。

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世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド

自己理解メソッドの3つのルール


自己理解メソッドを実行に移すにあたっては、3つのルールがある。
最初のルールは、「『好きなことで生きる』は間違い」ということだ。「好きなこと」は、あくまで「仕事の目的」を実現するための「手段」であり、最終的な目的ではない。
たとえば、飲食店を経営している人にとって、料理は来てくれる人を健康にしたり、居心地の良さを感じてもらったりするための手段である。自己満足な料理ではお客さんに価値を与えることはできない。
また、変化の大きい時代に「手段」にばかり固執してしまっては、その事業が立ち行かなくなった時に途方に暮れてしまうことになる。
飲食店の経営が苦しくなった時、料理という手段にこだわらなければ、目的を実現するための別の手段を選ぶことができるはずだ。まずは「大事なこと」から生まれる「仕事の目的」を最初に見つけることが重要だ。
次のルールは、「『好きなこと』の前に『得意なこと』から見つける」だ。「やりたいこと」を考える時に、お金がない、仕事にならない、といった思考のブレーキを外すことは難しい。
そこでお勧めなのが、まず「得意なこと」から考えるということだ。どんな状況でも使える自分の長所が明確になれば、思考のブレーキが外れ、やりたいことも見つかりやすくなる。
最後のルールは「『細かい実現手段』は考えてはいけない」だ。「ブログを書く」「どの会社に転職するか」など、「実現手段」を考えるのは「本当にやりたいこと」が見つかった後だ。
目的地が決まれば最適な移動手段が決まるように、「本当にやりたいこと」が決まれば、「実現の手段」もおのずと定まる。実行の手段は最初から考える必要はないし、また変えていってもよいものだ。

価値観を知るための「大事なこと」


自分と他人、どちらにとっても価値がある状態であることが、よい仕事の条件だ。そんな時、最も重要になるのは、「大事なこと(価値観)」だ。
価値観は、目標と混同されやすい。価値観が方向を指し示すものであるのに対して、目標は自分が進む距離を決めるものだ。価値観を意識せずに目標を立ててしまうと、目標に対してモチベーションを感じることができなくなる。
人生の目的地を明確にして、目標はその途中にあるチェックポイントだととらえよう。
価値観に正解はない。人から共感を得られなくても、自分が「こう生きたい!」と思えるものであれば、それはあなたの本物の価値観だ。
人は、「こう生きるべき」と親や社会からすり込まれた偽物の価値観を、自分のものだと勘違いしていることがある。
著者のクライアントには、「もっと成長しないとダメだ」と言われ続けてきた人がいた。その人は、成長できる仕事を探して、辛くても「成長」という価値観にそって歯を食いしばってきた。
しかし、それは本人が心から感じている価値観ではなかった。そのことに気づいてから、その人は「発見」が自分の本物の価値観であることにたどり着くことができた。
自分の価値観がわかってきたら、一つひとつに「これは~したい?」「これは~べき?」と問いかけてみよう。「~べき」「~しなきゃ」という言葉が出てきたら、それは他人からの期待である。「〜したい」と思えるものが、あなたの本物の価値観だ。

「得意なこと」とはあなたの「クセ」のようなものだ。それ自体では良いも悪いもないが、とらえ方によって長所にも短所にもなり得る。
たとえば、「物事に慎重に取り組む」という「才能」は、ミスのない作業を求められる仕事では長所だが、スピード感を求められる仕事では短所になりうる。
重要なのは、自分の才能をどうしたら長所として発揮することができるのかを理解することだ。
短所をなくそうと努力するのではなく、別の視点から見てどのような長所になるかを考えてみよう。著者の場合は、「人と長時間一緒にいると消耗して疲れる」という「才能」をずっと短所だととらえていた。
これを「一人で物事に没頭できる」という長所にとらえなおしたからこそ、著者はブログを書き、本を出すことができたのである。
もし著者が、自分の短所を克服しようと「人の輪の中でニコニコしている自分」を目指していたら、著者の長所は埋没してしまっていたことだろう。
苦手なことを克服しようという努力は、自己否定を加速させてしまう。人の才能に優劣はないのだから、自分の持っている「得意なこと」をうまく活用できるようになった方がよい。
あなたの短所は「だからこそ」と考えれば一瞬で長所になる。「人見知りだから」と言い訳を探すのではなく「人見知りだからこそ」と、長所を探すのだ。「自分を変える努力」をするのではなく、「自分を活かす努力」をしていこう。

とりあえず「仮決め」でOK


あなたは、「将来のため」と、漠然と役に立ちそうな勉強をしようとした経験はないだろうか。これは、やりたいことを見つけるのを先延ばしにして迷走している状態だ。
将来の可能性の中に生きるのはもうやめにしよう。あなたが最も成長するのは、あなたが本当にやりたいことに本気で向き合っている時だ。だから、やりたいことを今すぐに決めてしまったほうがよい。
やりたいことは「仮決め」でかまわない。大事なのは、仮説を立てて行動しながら、よりしっくりくる「本当のやりたいこと」へとブラッシュアップしていくことだ。
これは、やりたいことを見つけるために闇雲に行動することとはまったく異なる。「やりたいこと」は「好き」と「得意」がピッタリと合うことが理想であるが、いきなりこの2つがカチッとはまることは滅多にない。
あなたの「本当のやりたいこと」の叩き台となる仮説を立て、そのうえで試行錯誤しながら修正し、どんどん「本当のやりたいこと」に近づけていく必要がある。
著者は、一番楽しいのは自己理解を終えた後の人生だと断言する。あなたのポテンシャルは「本当にやりたいこと」に夢中になることで解放される。
自己理解を終わらせて、やりたいことに夢中になって生き始めよう。

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世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド


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